PTAの各種アンケートでGoogleフォームを導入する際の注意点
昭和のままで時が止まっているかのようなPTA活動において、「各種アンケートを紙で取るのではなく、Googleフォームなどを使って電子化したい…」と願う方もいることでしょう。
先日「PTA役員が紙のアンケートからGoogleアンケートフォームに移行しようとする際に反対派から出されがちな13の懸念とその論破方法」という記事で、反対派を説得するための材料をご紹介しましたが、その記事を書いた時までに実施したのは「個人情報を取らない、任意のアンケート」でした。
その後、PTA会員の全保護者+全教員に、名前とメールアドレスを取得するアンケートを実施する機会がありましたので、その注意点について共有したいと思います。
Webと紙を併用をするとよい
前述の記事にも記載しましたが、「スマホを持っていない人もいる!」「紙じゃないとヤダ!」という意見は必ずと言っていいほど出てきます。
そのため、すべてをWebフォームで進めることを目標にすると頓挫しますので、「原則Webでお願いしますが、難しい方は紙でも大丈夫です」などとして、Webと紙を併用するとスムーズでしょう。
省力化をしたいならアンケートのご案内もWebでできるとよいのですが、紙派が「アンケートに気づかないかも!」と心配するので、今回は紙でアンケートへの回答依頼をしました。
なおWebでの回答はQRコードとURLを両方記載すると、パソコンで回答する人にも親切です。(「QRコード 生成」で検索すると、URLをQRコードの変換してくれるサイトがヒットしますので、お好みのものをご利用ください)
なお、今回(2019/09)回答者全体のうち、紙での回答率は4.9%でした。(ちなみにそのうち、教職員は、紙で回答した割合は全教職員のうち24%でした。未来を担う子どもとかかわる教職員たちよ…)
メールアドレスや名前を取得する際に必要なこと
前述の記事で紹介したように、名前やメールアドレスを取得しないのであれば特に問題はありませんが、個人を特定しうる情報を取得するのであれば個人情報保護法で定める「個人情報の利用目的」の明示とその遵守が必要になります。
(紙でも本来同様ですが、なぜかWebになると個人情報が~と言われがちなので、紙派を安心させるためにもきちんとしておきましょう)
例)このアンケートで回答頂く内容は、●●の目的で取得します 等
参考:個人情報保護法ハンドブック(個人情報保護委員会)
“回答者のメールアドレスに「回答のコピーを送信」”に注意
Googleフォームでは、回答者が記入したメールアドレスに「回答のコピーを送信」という機能があります。(3年ほど前に追加された機能のようで、Googleフォームの設定アイコン>「全般」>「メールアドレスを収集する」>「回答のコピーを送信」から設定できます)
今回筆者はこの機能を使い、回答者のメールアドレスに、回答内容を控えとして送るよう設定し、役員のうち数人でテストしました。
その結果、gmailのユーザーも、携帯キャリアのメアドを使ったユーザーもどちらも問題なかったので、実際にPTAの全保護者+全教員に回答してもらったところ、ひやりとするトラブルがありました。
何人かへの自動返信メールで回答内容が反映されない…
アンケートの内容は、メールアドレスのほかに、複数選択式のチェックボックス、択一式のラジオボタン、自由記述式の回答欄などがあったのですが、なぜか「複数選択式の設問は、全選択肢をチェックした状態」、「その他の回答はすべて空欄」で回答したとするメールが、何人かに送信されてしまったようでした。
(不具合があったのは、回答者が受信したメールの表示のみであり、データとしてはきちんとGoogleフォーム側の受信データとして格納されていました)
キャリアの受信設定の問題か、テキストメールしか受信できないような、端末の人かな?とも考えたのですが、ヒアリングによると
・Softbankメアドの人もいれば、Auメアドの人もいれば、gmailの人もいる
・iPhone8に標準装備のメールアプリを利用の人もいる
ということで、Webにあまり詳しくなさそうな人への簡単なヒアリングでは法則性が推測できず…Googleフォームのヘルプを見ても、そのようなFAQはなく、また検索しても同じような現象が起こった人は見当たりませんでした。
これが、電子化反対派の人たちに発生してたらと思うと、鬼の首を取ったように「ほうら、Webなんて信用できないでしょう!二度としないで」ということになりかねず、ゾッとします。そもそも強硬な反対派は紙を使って回答してくれたので、不幸中の幸いでしたが、かなり肝を冷やしたのは確かです。
お問い合わせ窓口としてPTA担当者の連絡先を記載しよう
今回の不具合を見つけて最初に問い合わせをしてくださった方はたまたま役員の知り合いだったので、第一報として受け止め、PTA側で対処することができました。しかし、不具合は複数の人に出てしまい、そのなかには担当者がわからず、学校側に問い合わせてしまった方もいました。(手紙の差出人は「PTA」だったのですが、一般会員の方はPTA役員=学校と考えているようです・・)
PTA側が主導で、アンケートにWebフォーム等を使う際はお問い合わせ窓口として、担当者の連絡先と名前を書いておくべきだったと反省しました。
代替のアンケート作成ツール
Googleフォームはとても便利である一方、無料ツールなのでこういった不具合が出た時に問い合わせを気軽にすることができないのがネックです。
次回、設問数が少ないアンケートであれば、フォームメーラー というツールの無料版も試してみようかなと思っています。
まとめ
まとめると、
・回答者の回答控えメールとして「回答のコピーを送信」機能を使わないのであれば、やっぱりGoogleフォームがオススメ
・回答者の回答控えメールを使わざるを得ない、設問数の多いアンケートを実施するなら、「お問い合わせ窓口」としてPTA担当者の連絡先を記載するとよさそう(「一部の端末では回答内容がメールに正しく表示されないケースがあります。その場合は、データの受信状況を確認いたしますのでお名前を●●(連絡先)までお知らせください。」等)
・設問数が少なく、回答内容の控えのメールを送りたいなら他のツールも検討しよう
という感じです。
Webフォームの導入に伴う抵抗派の説得にかかる工数と、集計にかかる工数などを天秤にかけて、より使いやすいほう、心理的に穏やかなほうをお選びいただければよいのかなと思います。
※親愛なるGoogleご担当者さまへ
この記事がGoogleさんの目に留まり、今回の不具合の原因解明・改善に繋がったらとてもうれしいです…。(いちおうヘルプセンターよりお問い合わせ済みです)
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