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社会的・職業的自立について

今回は、社会全体の課題である若者の「社会的・職業的自立」、特に、その課題に対する学校の役割について考えようと思います。

義務教育を終えたあと、高等学校、大学、専門学校、などの学生時代を終えると就職するのが一般的です。(もちろん、このルートに当てはまらない人も多く存在しますが、ひとまず、「学生時代→就職」というルートを仮定します)

キャリア形成について課題となっているのは、就きたい職業に就けないこと、非正規雇用の割合が多いこと、就職したとしても自分に合わない職業だと感じ、すぐに辞めてしまうことなどが挙げられます。

自分が就きたい職業に就き、楽しく働くためにはどうすればいいのか。

個人的に大切だと思うのは、

・できるだけ早めに自分の将来についての見通しをもつこと

・将来について考える機会を多く設けること


の2点だと思います。以下、この2つについて考えを深めていきます。


1.できるだけ早めに自分の将来についての見通しを持つこと

将来について考え始める時期は人それぞれだと思います。中には具体的な見通しを持たずに高校、大学と何となく進学して、就職活動を始めるときに焦るという人もいるかもしれません。

時間がない中で自分の将来を考えると、冷静な判断ができず、何となく進路選択をしていまいます。そうならないために、早い段階で自分の将来について見通しを立てていくことが大切です。"早い段階"というのは、具体的に幼稚園、小学校低学年からと捉えています。


それはいくらなんでも早すぎる、という意見もあるかもしれませんが、自分の将来を考え始めるのに早すぎることはないと思っています。もちろん、幼稚園の時に決めた将来の夢を一度も変えずに貫き通せ、ということではありません。

成長段階に合わせて、目標を修正していくことはもちろんのこと、将来像をより具体化していくことが大切だと思っています。全く自分の将来像が思い浮かんでいなければ、このようなことはできません。ですので、幼い子どもであっても、「こういう大人になりたい」「こんな生活をしていきたい」と考えることはとても大切です。

ですが、5,6歳の子どもが将来のことを自発的に考えるのはとても難しいです。

そのため、周りの大人が、将来について考える機会を与えてあげることが大事。主に、保護者の方や学校の先生がその役割を担うことになるのではないでしょうか。


また、将来のことを考えるにあたって、モデルとなる材料が必要です。子どもは周囲の大人やメディアなど、自分を取り巻く環境から影響を受けています。

選択肢がある程度用意されていないと、初めは自分の将来像を描くことができないので、提示してあげることも大事だと思っています。選択肢が少なすぎると、それ以外の道を選ぶのは難しいです。(自分で選択肢を増やせるようになるのはもっと成長してから。)


2. 将来について考える機会を多く設けること

私たちが将来について考えるときは、どのようなときでしょうか。多くの場合、進学をするときや就職をするときなど、節目のような時期だと思います。

ですが、進学などの節目の時期だけが重要というわけではありません。目標を実現するための努力は、日頃から行わなければならないのに、将来を考えるのは、節目だけというのは矛盾しているように感じます。

そして、現状と目標のギャップを意識して修正していくことが求められます。将来についてもっと定期的に考える必要があります。

では、なぜ将来について考える機会が少ないのか。その理由は、「目の前のことで精一杯で忙しい」からではないかと思っています。


学生は、勉強、部活動、人間関係などさまざまなことに追われていて、10年、20年後のことを考える余裕がありません。ゆとり教育に賛成するわけではないですが、学生生活にゆとりをもたせて、深く考える時間を確保すればよいのではないかと思います。


学校としては、総合的な学習の時間を軸として、キャリア形成についての授業を取り入れていくことが考えられます。職場体験を行っている学校もありますが、数日間の体験だけではあまり効果は期待できません。


幅広く業界について研究するなど、3年間の見通しを持ち、段階的なキャリア教育をしていくことが大切です。

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※例えば、

1年次:興味のある業界について研究する。自己分析。特性理解。

2年次:職場体験をする。「働く」とは何かを、自分で定義する。

3年次:これからの進路実現をするための目標設定。

などが考えられます。



3.まとめ

ここまで、「早めに将来の見通しを持つこと」と、「将来について考える機会を多く設けること」について考えてきました。

この記事を執筆するにあたって、自分自身が受けてきたキャリア教育を思い出そうとしましたが、印象に残っているものが少なすぎることに気が付きました。

正直なところ、他の学校がどのようなことをやっているのかあまり詳しくありません。もう少し勉強します。

学校現場が忙しく、余裕がないことは重々承知ですが、働くことの重要性を考えると、キャリア教育を推進していく必要があると感じました。


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最後に、おすすめの本を紹介しておきます。

働き方の哲学

「働き方の哲学」 村山昇(2018),ディスカヴァー・トゥエンティワン.

https://www.amazon.co.jp/dp/4799322389
イラスト付きでわかりやすく、中学生から社会人まで読める本です。

働くことについて考えるきっかけを与えてくれます。ぜひ読んでみてください。