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「バンドの要はベース」、果たして?

※電子書籍のリリースを検討しており、そのうちの1トピックとしてnoteにテストで公開します。
もしピンと来たところがあればコメント頂けると嬉しいです。

-お酒の場などで、音楽に詳しそうな人たちが話す常套句-

「バンドで一番重要なのはベース」と自慢げに
主張したいのだろうが、
5弦ベースをメインパートとする著者が、
あえてこの常套句に一つ意見申し上げたい。

「ドラムとボーカルが一定以上の水準下で、
ベースは初めてバンドの要として機能する。」

バンドが歌ものである場合、ステージで
一番スポットライトを浴びるボーカルが
輝いていなければ、エンターテイメントとしては
成り立たない。
そしてドラムがしっかりしていないと
バンドアンサンブルとしてのリズムは機能せず、
もしもドラムのダイナミクスが全く均一なら、
他のパートがいくら頑張って強弱をつけても
無効化されてしまう。

ベースはリズム隊であり、コードの主導権を
握っているが、そもそもエンターテイメント・
アンサンブルの両方が成立しなければ、
影響力は発揮されない。

レコーディングでは、ボーカルとドラムが
きちんと録れていれば、少なくとも90%は
成功と言える。
そしてミックスの工程で時間をかけているのも
ボーカルとドラム。

ドラムのミックスは小単位での
アンサンブル調整だ。
バスドラムやスネア、シンバル類など、
各ドラムパーツをパンで配置し、
パーツごとに音作りしつつ、
ドラムセット全体で音をまとめる。

これはドラムとベース、リズム隊(ドラム・ベース)
対ギター、楽器隊(ドラム・ベース・ギターなど)
対ボーカル、のようにそれぞれを対比させて
バンドサウンドを作る工程と同じ意味だ。
ドラムでまずミックスの土台を作る。

そしてボーカルは楽曲の顔であり、歌声を聴いて、
繰り返し聴きたいと思う内容であることが
求められる。
そのため、ボーカリストの表現を忠実に
表現しつつ、聴きどころを分かりやすくするため、
ピッチコントロールソフトやオートメーションを
活用して、歌を入念に仕上げている。

ベースは1音でバンドを支配する魅力と、
その1音が1フレットずれるだけで、
楽曲を台無しにする怖さがある。
しかしエンターテイメント・アンサンブルが
あって、ベースは要として機能する訳で、
この常套句が的を得て会話されているのか否か、
音楽センスが問われている。


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