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ライブで戦うことをあえて辞めた理由

当方はレコーディングエンジニア、しかし音楽の学校を出た訳ではない。

思うがままに作曲して、機材を集めて。。
自分なりにレコーディングすることを現場で実験して、体感することで、いつのまにか自分でそう呼ぶようになった。

今回は過去の自分を振り返りながら、なぜライブではなく、レコーディングへシフトしていこう考えたのか、自問自答していこうと思う。


1.MTRを使い倒す。
MTRとはマルチトラックレコーダーの略。

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この機材との出会いが全ての始まりであり、今となってはなくてはならない仕事道具だ。

「軽音に4年もいて、オリジナルの1曲も作れないのか?」

と意地で、作曲を始めてみる。
ギターが弾ける訳でもなく、自分が歌うこともなく。
オリジナルなんてやったことのないメンバーを無理矢理引き連れてやっとできた楽曲は本当にいい思い出だ。

またふざけたセッションをMTRで録り、ボーカルのパン振りをオートメーションしたり、ラジオボイスを作ったり、ライブとは違った遊び方が楽しかった。

その後はプリプロ録りやSEを使ってバンド活動するようになり、作曲・演奏チェック、パフォーマンスにも繋がるようになり、単に録って聴くだけの使い方ではなくなった。
リズムマシンがついていたことも大きく、DAWでしっかり打ち込みドラムができている。

Cubaseを使い出うようになっても、MTRで収録することは変わらず、きちんとプログラムすれば、安定的に駆動してくれるのがお気に入りポイント。

本来は録音機器だが、音楽活動の幅や発想をぐっと広げてくれた。
それによって、時間や場所に捉われないコンテンツ制作の楽しさを身につけることができた。


2.音楽として正確に聴いて欲しい。
音楽活動の一般的な目標の一つにライブがある。

演奏がまとまってきたら、ステージで発表したい。当たり前のことである。

しかしコピー曲をライブで披露することにいつしか矛盾を感じていた。

それはステージ上で音楽として聴いてもらえていないこと。
原因は様々だが、単純に外観上のパフォーマンスやノリ、認知度だけで評価されるのに妙に納得がいかない。自分達の演奏はパントマイムではないからだ。

ネットでいつでも音楽が聴ける時代だから、きっちり作り上げたものをじっくり聴いて欲しいと思い、ライブに注いでいたエネルギーをオリジナルのレコーディングへシフトした。

はじめは自分のバンドだけだったが、友人経由でシンガーソングライターさんとスタジオで一緒にバンドでアレンジしながらレコーディングしたり。
エンジニア専任でお呼ばれすることも徐々に増えていった。。

音楽をクリエイトする素敵な時間であるはずのレコーディング。

その言葉だけで難解なイメージを持ち、機会に恵まれないのなら、自分がその誤解を解いて、チャンスにしてもらいたいと思い、レコーディングエンジニアを名乗るようになった。

しかしそれをどのようにPRしていいものか?
やっぱり音楽のことは音楽で伝えたい。

まずうちでこんなことが出来るんだということを証明するため、ミニアルバムを作ることに。

余計なしがらみを全く気にせず、最大限の楽曲を、協力してくれる最高のメンバーと共に磨いていく。
ジャンルも違えば、一曲毎にプレーヤーや歌い手が違うので、自分が求めている演奏をどうやって引き出すか、ディレクションもたくさん経験させてもらった。
アルバムの作り方なんて、誰からも教わったことないけど、どこに出しても全く恥ずかしくない渾身の作品となった。




実力試しにと始めた音楽の仕事にも、この作品の存在は大きく、ありがたいことに協力提携スタジオでレコーディングできるようにまでなった。


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全ては音楽を正確に伝えたいから始めたレコーディングだったが、音楽制作にこだわることから得られたものは計り知れない。


3.最終ゴールはレコ発ライブ
ベーシスト兼アレンジャーとしての作品だったので、ライブで披露することは全く考えず。

2作目のEPリリースに向けて今動いているけど、次はレコ発ライブを行う予定だ。

ただのライブではない、レコ発ライブである。

レコーディングで最大限インプットしたものを、ライブの迫力を持ってアウトプットする。
この流れが最もアーティスト的だし、レコ発ライブのツアーファイナルを終えてこそ、真のゴールではないだろうか?

いづれにせよ、ステージでアーティストの魅力を発揮するには、レコーディングによって良質な楽曲を作り上げ、自身を育てていくのが最も合理的なのである。

ライブから成長できることも当然あるが、ライブが点だとすれば、レコーディングは線。
レコーディングでの経験値は長期に渡って血肉となり、じっくり向き合えば筋肉にもなる。

なおそれを実現するには、ある程度の時間と予算を用意する必要がある。
ライブパフォーマンスに重きに置いているバンドであっても、レコ発ツアー前はきっちり準備期間を設けている。

コロナ禍でオフラインでのライブ決行が難しい中、この期間を新譜の制作に割り当てることができるのなら、最も合理的だろう。


4.まとめ
好きな曲をステージで演奏して、それだけで楽しめれば、今こんなことをしていない。

しかしレコーディングすることに目を向けたからこそ、今の自分があり、これまでの道のりは何も間違っていない。

レコラボのレコーディングによって音楽人生がガラリと変わるような体験をこれから提供していき、レコーディングを通じて音楽の奥深さを楽しんでもらえるよう自ら体現し続けていく。

そしてその価値は今やっている音楽で証明していきたいので、ぜひ下記のリンクから楽曲を聴いてもらいたい。

それではまた〜

【サブスクリンク】

会いたくない / レコラボ



Rainy Dance / フランソワ・マリコ
※作曲・レコーディングを担当


毒リンゴを持った日 / レコラボ



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