宝塚初鑑賞記②

昨日、初めて宝塚を鑑賞して、その素晴らしさに身体が打ち震えた。
一夜明けた今日でも、その感動は全く色あせていない。

後遺症は深刻である。
男役の方々の雄たる仕草が頭から離れず、まともに歩けない。
一部終了後、トイレに行く階段もどうやって今まで下っていたのか分からなくなり、非常にぎこちない奇妙な降り方になった。
それほど宝塚の方々の身のこなしは衝撃的であった。

宝塚は文化の頂点であると思う。
オーケストラ、バレエ、オペラなどが文化的メインストリームにいるが、宝塚はそれを日本独自に昇華させた進化の頂点に存在するものである。
女性が男性を演じるという点も優れているが、異性を演じるという点ならば梅沢富美男の女方もそうだ。
宝塚のすごさはその連続性にある。100年以上、連綿と受け継がれてきた歴史には途方もない重さがある。

日本で宝塚が生まれ、存在することを私は日本人として誇りに思う。

惜しむらくは、その素晴らしさゆえにとても人気があることだ。今日、同じ公演のチケットを購入しようと思ったのだが、ほとんど売り切れであった。今回は2階の遠い席からの観賞であったため次は前で観たいと思ったのだが、一番前のSS席はそう簡単に入手できるものではないそうだ。

まあチケットの入手困難さは、宝塚の素晴らしさと、それを理解する人の多さを表したものであるから、宝塚に出会うのが遅かった私が悪いのである。

いつの日か宝塚を一番前の真ん中で観るというのを私のバケットリストに入れておこう。

宝塚にハマるおばさんが多いというイメージでいたが、実際に行ってみると男性も少なからずいたし、若い女性も多かった。
そして、観賞中は老若男女すべからく少女になっていた。
かくいう私も一瞬少女になっていた。
男の私でさえ、その男役の人に恋しそうになるのだから、女性が宝塚に恋するのも無理はない。

宝塚について調べてみると遼河はるひさんも宝塚出身のようだ。
以前から綺麗な人だと思っていたので、さらに詳しく調べてみるとDMMで月5000円でオンラインサロンをしているようだ。
30人限定なのだが、17人しか登録されていない。
タバコを辞めて加入しようかと一瞬悩んだが、きっとファンは皆さん女性であろうし、男性の私が加入してオフ会に参加しても浮くだけで、参加者に気を使わせてしまい申し訳ないと思ったので止めた。

遼河はるひさんはいまだに独身であり、あれほど洗練された宝塚出身のおねえさんと付き合えるならば、幸甚の至りであるが、性的な目で見ることが許されないほど宝塚も、その出身者の方も高貴である。

ここで私が自分の欲望に忠実に生きられる獣の様な男性であったならば、オンラインサロンに参加して何としてでも遼河はるひさんを手に入れようとするのだろうが、私にはその勇気も意気地もない。

周りの目を気にしてこんな匿名の媒体で愚痴をこぼしている私にそんな幸福は訪れないであろう。
ただ、私はこれで満足している。
人に迷惑をかけずに生きる気高さには、自分勝手に生きて得られる幸福よりずっと価値がある。

最後は変哲な恋文のようなかたちになったが、結論としては宝塚は素晴らしいということだ。

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