SNS時代のトレンド:カジュアル動画 #とは

ビジネスの動画活用は、広告を筆頭に増えてきています。動画広告の予算は2019年から2020年にかけて14%増加しました。

こうした動画活用拡大の背景には、4G・5Gをはじめとした通信環境・視聴環境の整備はもちろんですが、動画の受け手である私たち自身にも、動画視聴で情報を収集する習慣が定着しているという背景もあります。YouTubeや動画で情報収集をする方は56.3%おり、SNS上でも約4人に1人が動画を視聴しています(Twitterが25.3%、Instagramが22.3%)。

こうした動画視聴環境が整う中で、動画は広告に限らず様々なシーンで利用が進みつつあります。

マーケティング用途では、ランディングページへの動画埋め込みが増加しており、さらにはHTMLメールの一般化からメール配信での利用に広がってきています。実際に、ランディングページでの利用ではCVRが2.6倍に、またメールでの利用ではクリック率が6倍になるなど、動画活用の効果が実証されています。

対社内での利用用途では、動画マニュアルがこれまでは主流でした。しかし近年、動画活用は社内メッセージ、業務上のコミュニケーションなどへと広がってきています。

社内でも動画を利用するようになった背景には、動画の作成のカジュアル化があります。動画制作はこれまで外注し、コストをかけて作成するものでした。動画を編集・撮影できるツールが増え、動画自体が安価に、そして簡単に作れるようになったことで、広告・CMほど凝らないが、「伝わりやすい」特徴を持った動画が作成されるようになりました。

この記事では、安く・簡単に作るという特徴を持った「カジュアル動画」についてご紹介いたします。

カジュアル動画とは何か

カジュアル動画に明確な定義はありませんが、2015年ごろ、スマートフォンの隆盛が顕著になった後から提唱されている考え方のようです。

その特徴としては「視聴者が構えずに見ることができるような、情報量、伝達方法、クリエイティブ」であることです。テレビ番組、CMや映像作品などの「手が込んだ」映像( = リッチな動画)ではなく、簡単に自前の端末で撮影・作成し、共有・配信される動画を指しています。

カジュアル動画増加の背景

カジュアル動画が増えてきた背景には、動画の作成・編集ツールの増加、SNSを筆頭にクオリティに拘らない動画視聴の増加が挙げられます。

動画の作成・編集ツールの増加
アライドアーキテクツ社の調査によれば、33.2%が「自部署で制作」、36.4%が「自社の制作部門」と回答しており、動画制作の内製化が加速していると言えます。

動画の作成・編集ツール自体は、Adobeを筆頭に以前から存在していましたが、短尺動画を量産するツールは直近5年以内に多くリリースされています。例えば、VIDEO BRAINは2018年、RICHKAは2017年、またLetroStudioは2020年にサービスが開発・リリースされています。こうしたサービスの増加に伴い、カジュアル動画の作成・配信が加速しています。

クオリティに拘らない動画視聴の増加
SNS上での動画視聴の増加により、注目を集めるため短さ・わかりやすさが重視されるようになりました。視聴者側の行動は、CMであれば15秒見る場合でも、SNS上では興味がない動画が表示された場合はすぐに別コンテンツにスクロールする、という形に変化しています。

実際に、動画のクオリティそれ自体よりは、SNS上での「動画視聴の行動」に馴染む動画の方が、広告としてのパフォーマンスが高いことが実証されています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?