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折々のチェスのレシピ(39)

単純なチェスプロブレムのようですが、見切りの真髄的なものが含まれている局面です。

黒は2枚のルークで白のキングを狙ってきました。守りを優先すべきでしょうか、それとも白は攻めが続くでしょうか。

もし黒のルークがg2に突っ込んできても白はh1にキングを逃しておけばメイトされることはありません。ということは、ここで白は守りの手を指す必要がないことになります。あとはうまい攻めが続くかどうか。

白には二つの選択肢がありそうです。

チェック&クイーン取りをかける手です。実践的にはこちらのほうが勝ちやすいと思いますが、

クイーンを取った後にナイトでナイトを取り返されてしまうという若干の嫌なところもあります。

もうひとつの選択肢は、

ビショップを捌いてしまい、黒のキングが逃げたところで、

ルークを取ります。このナイトも取られる可能性が高いのですが、

黒のナイトに圧力を掛けることができます↓(この手は同時に3ランクを空けてルークの効きを端まで通す効果があります)。

ここで黒がg8のナイトを取ってきたら、白はa5のナイトを取って勝勢を固めます。もし黒がナイトを逃してきたら、

これが黒にとっては相当厳しい手になります。

最初の局面で見切ったように、白はメイトされない形をしています。このような場合は、攻めがどこまで続くかがひとつのポイントになってきます。自分に詰み(メイト)がなく、ここまで攻め手が続くことを読むことができれば、相手を追い詰めることはそんなに難しくはないです。

自分がなんとなく危ない形になると、人の心理としてどうしても受けを優先しがちですが、詰みがないと読み切れれば果敢に攻めていくことができます。


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