折々のチェスのレシピ(144)
白はもうメイトまで読み切ることができる局面です。
最後(メイト)まで読みきれなくても、メイトするにはどの駒を残しておいたほうがいいか、あるいは、相手の駒をどう動かさせたらいいかなど、おおよその方針を立てて指す局面です。
ここから先、白が勝つ手筋は、実は複数あります。
まずひとつ目です(初手からです)。
次に、
また、
こんなふうに何パターンもあります(実はもっとあります)。このようにいくつかの寄せパターンをイメージできるようになると、終盤が強くなるだけでなく、そこに向けてどう駒組みしていくべきかという中盤力も強くなります。
ただ、ひとつ言っておかなくてはいけないのは、この対局の白は序盤でかなりまずい駒組みをしています。それをきっちり咎めることができなかった黒が負けてしまうことになるわけですが、将棋と比較して短手数で終わることが多いチェスはやはり序盤というのはかなり重要で、自分が適切な駒組みを続けるのと同時に、相手のミスに気がつかないとなかなか勝つことができないです。この対局で黒は白の序盤のミスに気づいて咎めてはいます。しかし、咎め切れていませんでした。
中でもどこがまずかったのかというと、
これが大悪手です。これ以降、黒が劣勢に陥ったことは上でご紹介したアニメーションgifで明らかでした(黒はクイーンの退路を自ら塞いでしまっています)。
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