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折々のチェスのレシピ(120)

まだ11手しか指していませんが、黒がほぼ必敗の局面です。

第1図

どこかどう悪かったかは、「チェスのレシピ」や「新・チェスのレシピ」、そしてこの「折々のチェスのレシピ」を読んできてくださった人には明らかだと思いますので、ここではどう粘るかを考えてみます。

まずは、黒からすると、ある一手以外は即詰みであることを読み取ってください。

例えば、Ng4など別の手でもいいのですが、ある一手以外を指すと、上のようになります。

キングが逃げるしかありませんが、

もうゲームセットです(黒はクイーンを取られる以外メイトを逃れる手段がありません)。

ということで、第1図では、

キング自らが守りに参加するしかありませんでした。これでも黒にとって形勢がかなり悪いことには変わりありませんが、こうするしかありません。後は、相手のミスを待ちます。相手がミスをしなければ黒の負けです。しかし、人はどこかでミスをするものです。相手にどこかでプレッシャーをかけてミスを待ちます。

もちろん、こんな駒組みにしてしまったこと自体が黒のミスなのですが、もし不利になってしまったとしても、粘る手筋をなんとか発見することもまた、勝ちを拾うためには重要なことになってきます。

今回の例はあからさまに黒が劣勢ですが、どこかでちょっと間違えてしまったということはよくあると思います。そういう時は、相手が嫌がるような手を連発し、いかに粘るかという手筋を考えてみてください。その間にきっと相手もミスをするはずです(しないこともありますが)。


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