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折々のチェスのレシピ(90)

一手で局面ががらりと変わることはチェスではしばしばあります。それは相手の一手でも同じです。

第1図

黒がキャスリングした局面です。白はこの手を見てなんらかの対応をしなくてはいけません。なにもせずに、例えば、白もキャスリングをしたとします。すると、

e5のナイトを取られてしまいます。なんだ、ポーンで取り返せばいいじゃないかと思うかもしれませんが、それをクイーンで取られたら、以下の局面になります。

白はb2の地点を受けなければいけなくなります。c3と受けると、

d4とされ、ビショップ取りですのでまた受けなくてはいけません。

Qxd4と受けると、

一旦クイーンを引かれて、次にb、cファイルのポーンが前進してきます。つまり、うまい受けがないのです。

第1図で黒がキャスリングした時点で、白のb5ビショップは間接的に狙っていたキングがいなくなったため、その目的を失っています。それによって自由になった黒のナイトを活用されてしまったわけです。

一手ごとに局面は大きく変わったり、あるいはそれほどでなくても必ず何らかの変化をします。一手前は仕事をしていた駒が無益になったり、脅威でなかった駒が突然働き出したり、いろいろな変化が起こります。常に最新の盤上の様子をベースに次の一手を考えてください。


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