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チェスのレシピ(25) チェスでまずスコア1000点超えを目指す人のために

今回は形勢判断についてです。

上は白がc4とポーンをぶつけてきた局面です。互いに駒の損得はなく、形勢判断が難しい局面ではありますが、駒の配置をよく見ると、黒に大きなチャンスが巡ってきたことがわかります。

白を詰ますまでにはまだ手数がかかり、読み切るには難しい局面ですが、少なくとも詰みに近づく形にするには絶好の手番です。

それにはいくつかの理由があります。

まず、h3に白のナイトがいることです。これをビショップで取れば同ポーンとしてくるでしょうから、白のキングの頭が空きます。

これで白の守りが弱体化しました。h3のナイトは移動してしまう可能性があるのでここで捌いておくべきでしょう。cファイルのポーンはこの後に対応します。

上の局面になった時点で改めてよく眺めてみてください。白はまだc1にビショップがいてルークの動きを制限してしまっています。一方の黒は、先ほど白のナイトをビショップで取りに行ったのでクイーンを動かしても下段の守りに当面不安はなく、場合によってはルークを攻撃に参加させることも可能になりました。

もう一度最初の局面に戻ります。

この局面はすでに黒がやや優勢であり、黒が詰みの準備を整える絶好のタイミングでした。加えて言うと、白がc4とポーンをぶつけてきたのはf〜hファイルにクイーンを展開できないので逆側に活路を求めにきたという事情もあるでしょう。焦りが感じられる白の手です。そんなことからも白が手詰まりになっていることがわかります。形勢判断にはこんな心理的側面も考慮に入れることが可能です。白はQxc4としても特に良くなるわけではありませんので。


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