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藤井聡太二冠に学ぶ次の一手(9) 守りから一転攻めへ

第1図は後手が先手陣内に攻め込んだ局面。

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第1図 52手目 △8九飛成まで

藤井聡太 七段 vs. 千田翔太 七段 第33期竜王戦3組ランキング戦(2020年4月3日)から。

この局面、うまく対応しないとあっという間に先手陣が崩壊してしまう。持ち駒は、先手歩2桂1角1、後手歩1桂1。

自分などは焦って▲7八金引などと指しそうだが、するとたちまち苦境に陥るのは必至。

先手藤井聡太二冠が指したのは第2図。

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第2図 53手目 ▲5八金まで

金は金でも5筋の金を引いたのでした。飛車の横効きを通した形だがこれだけで大丈夫か?と一瞬思う。

だが、後手は持ち駒も少ないことからまだ決定的な手を打つことができない。その間に8八に回った先手の飛車はガツンと8一に成り込む。

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第3図 63手目 ▲8一飛成まで

ほとんどこれが決定打となって先手の勝ちに。53手目の▲5八金引は無論守りが第一義であったとしても攻めも見据えてのことだったのかと棋譜を進めて気がつくのであった。

この対局では藤井二冠の渋い小技も見られたのでそれはまた次回あたりで。


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