折々のチェスのレシピ(10)
前回からの続きです。
白初手d4と指された対局を数百局分析したところ、黒がNf6と応じると、白の手は次のものが最も多かったのでまずはそれから検討していきます。
この場合に黒はいきなり駒をぶつけます。
相手のクイーンが効いているファイルなので思いつきにくいですが、これが白にとってはなかなか受けづらい手です。白はこのポーンを取ってしまうと早々にセンターポーンを失うことになりそうなので、d4のポーンに紐付けしてくることが多いです。c3は自分のナイトの動きを制約してしまうのでやってくれたらラッキーです。ということは、e3かNf3が普通です。
Nf3ときた場合には、ポーンを取ってしまいます。
ナイトで取り返してきたらe5が気の利いた手です。タダだと思ってビショップで取ってくるプレイヤーが多いですが、
これで優勢確定です。
d4のポーンをクイーンで取り返してくることも想定できます。
その際には、d6として次にe5の両取りを見せます。賢明なプレイヤーは当然どちらかの駒を逃すでしょう(両取りに気がつかないなら両取りをかけるだけです)。
ここでe5とする手がないわけではありませんが、次にBg5などとされるとその対応もしなくてはいけないので、ここで、
このようにg5の地点を守っておきます。後手で早くもここまで作れれば概ね満足ではないでしょうか。白は今後、センター付近に常に弱みを抱えることになります(←これがクイーンズ・ギャンビット対策の一つのヒントです)。
次回は別の展開を検討します(基本的に白が指してくる割合の多いものから検討します)。
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