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折々のチェスのレシピ(138)

今回は相手の手を逆用して自分に有利な展開にしてしまう黒の指し回しをご覧ください。

白がいくつかの大きなミスをしているのを差し引いても、黒はミスを引き出すような手を見せつつ、また同時に、積極的(直線的)にメイトを狙う手を指向しています。

決して黒は最善手を指し続けているわけではないのですが、相手のミスをごく自然かつ的確に咎めており、引くところは引いて力を溜め(一度出たクイーンを戻す手など)、相手の手には乗らず、白としては非常にやりずらいだとろうと思います。

一局の指し手の流れを覚えてほしいのですが、ひとつだけポイントとなる点を挙げるとすると、

黒はd5にナイトを置いておくことによって、いきなりチェックが掛からない駒組みをしていることです。この局面ではすでにこのナイトはメイトには参加しないため、最後まで防御に使っていればいいという駒です。チェックに一手掛かるということは、その一手を黒は他に使えるということになります。


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