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折々のチェスのレシピ(422)少しだけ高度な知識をあなたに

なんてことはない中盤の入り口の局面に見えるかもしれません。

ところが、よく見ると、黒にはd7以外は浮き駒がない引き締まった駒組みをしているのに対して、白はc3のポーンとb5のビショップが不安定です。たったこれだけと思われるかもしれませんが、これだけのことで形勢には差がついてしまっています。

次に黒からはa6があることからここで白はビショップを戻さないといけません。すると黒はそこでキャスリングをして、

紐づいていない駒が皆無となり、白からすると手出しが難しい駒組みを作られてしまいます。この局面で形勢はほぼ互角でしょうが、ここから白が自力でよくしていく手はほとんどありません。

浮き駒のあるなしは形勢を判断するひとつの材料になります(もちろんそれだけではありませんが)。


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