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折々のチェスのレシピ(111)

ここ最近、「折々のチェスのレシピ」では、センターの重要性と局面の均衡について何回か書いてきました。それを念頭に下の対局を見てください。

この対局の、

かなり早い上の局面で、将棋AI風に言うと、すでに70対30ほどで白優勢です。もう言うまでもなく、センターをどちらが制しているかの違いが大きいです。

この段階でこれだけ優位をもらえると、白のこれからの指し回しはかなり楽になります。なぜなら、よほどの悪手を指さない限り、白は互角以下にはならないからです。

ということで、センター(付近)を制すること、局面評価が正しくできること、このふたつができると、きっちり相手をメイトできることがわかると思います。

この対局で白は、序盤でかなりの優位をもらってしまったので、相手に合わせて「まあ、このぐらい受けてあげたりしないと面白くないか」みたいな感じで、わざと最善手を指してないのではないかと思います。そのぐらい序盤の優位は揺るがないものです。また、この対局をソフトやAIで評価させると、白は互角以下には一回もなっていませんでした。

今回の黒のような、序盤のセンターポーンの攻防に失敗したり、あるいはセンターの攻防を避けるような指し方で自分が有利になる手筋は基本的には存在しません


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