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クラウドサイン導入までの道のりとこれから

自己紹介

お世話になります。現在私はITベンダー企業の法務部に勤めております。
当社はコロナ禍以前にクラウドサインを導入しており、現在に比して電子契約システム導入に対して障壁が多々あったかなと思います。
その経緯を履歴までにnoteに書き示します。本noteが電子契約システム導入の一助になれば幸いです。

前提、そもそも当社がクラウドサインを導入したきっかけ

当社はコロナ禍以前の2019年9月にクラウドサインを導入しております。
そのため、上述したとおり、コロナ禍以降にクラウドサインを導入する場合と比すると、道のりとしては厳しかったと思います。
当社はIT企業に分類されますが、クラウドサイン導入までは電子契約を導入しておらず、それゆえ紙の契約書に対して午前と夕方の計2回、法務部メンバが順番で押印対応を行っておりました。
私が入社する以前、今から6年ほど前に電子契約導入を役員へ相談したところ、諸々の問題点の指摘を受けて断念したという経緯があったようです。しかしながら、ルーティン的に押印業務を行っている際に「企業の効率化ツールを提供するIT企業なのになぜ紙に押印しているのだ」という素朴な疑問が生じてきました。
その頃、法務部内でちょうど電子契約の話題が出ていたことや、6年前からはずいぶんと電子契約を取り巻く状況が変わっていることから部内相談の結果、電子契約システム導入を本格的に検討すべきであろうということになりました。

導入までの気苦労

電子契約システム導入に際しては、操作のしやすさ、市場シェア等からクラウドサインを選択しました。各種法的論点やコスト、削減される工数、運用等をまとめて関係者への説明会を行ったところ、想定されていたとおり懐疑的意見、指摘を多く受けました。「誤送信対策はどうするのか」「法的効力は問題ないのか」「相手企業は対応できるのか」「管理方法は」「現場が混乱するのではないか」等々。
しかしながら、説明準備のためにクラウドサインのシステム、具体的な運用イメージを理解していく中で、これは必ず会社のためになるし、何よりIT企業でなぜ紙なのだ、という怒りに近い感情をもとに粘り強く説明を行ったところ、現場担当者からは「説明を聞いている限り、全社的にかなり工数が減るのではないか、これは相当楽になるのではないか」というポジティブな意見をいただくことができました。そして、現場担当者の一言で流れが変わり、とにかく実験的にでも導入してみて問題が起きたらやりながら対応すれば良いと、いわゆるアジャイル的にスタートすることとなりました。(クラウドサインは送付件数で費用課金されますので、その意味では大変導入しやすかったです。)

上記経緯から、電子契約システム導入に際しての説明では、印紙代や工数などの客観的な数字に加えて、現場担当者がどれだけ楽になるか、という共感的な視点からの説明がかなり有効かと思います。
なお、細かな部分ですが、クラウドサイン導入のための社内向け説明用参考資料を弁護士ドットコムが用意してくれており、これは大変助かりました。印章規程修正例や、稟議用資料など、とにかく導入希望企業の社内的手続きへの配慮が素晴らしかったです。

導入後の反響

今でも覚えているのは、一番最初にクラウドサインを利用した営業担当者からのメールです。当社は、法務部が営業担当者から電子契約送付依頼をメールで受け、法務部からクラウドサインを送付する運用を行っております。クラウドサイン導入後、当該担当者からの電子契約送付依頼を受け、当該担当者をCC設定しつつ先方へクラウドサインを送付したあと、約10分程度で先方が契約書の確認をしてくれました。その後、当該担当者から「いま、クラウドサインからメールが届いたのですが、これはもう契約できたってことですか?これだけでいいんですか!?」という驚きメールが届き、これを皮切りに、クラウドサインの便利さが口コミ的に広がったようで一気に社内利用件数が増加しました。
また、今まで総務部門が紙の契約書をPDF化して保管していたところ、総務部門の工数も大幅に削減でき、これは凄いということで総務部門からも「クラウドサイン使いませんか?」と自主的に皆様にお声がけしていたとのことでした。皆様、便利な方に流れます。

コロナ禍によるリモートワークの普及の影響

また、当社にてクラウドサインを導入し、全社的に普及したすぐ後にコロナ禍となりました。コロナ禍初期は、初めての緊急事態宣言を経験するなど、全国的に外出自粛ムードとなり、出社を極力抑制しつつリモートワーク対応をとる企業が一気に増加しました。当社もそうですし、多くの取引先もそうです。当社内ではクラウドサインの便利さが広がっており、徐々に電子契約の比率が上がってきましたが、取引先によっては電子契約対応不可という企業が多かったところ、皮肉にもコロナ禍によって、今までは電子契約不可であった取引先が態度を一変させたという事象が多々ありました。

導入後の成果、現在の利用状況

上記経緯から、当社では、取引先のNGがある場合を除き、全ての契約書をクラウドサインで締結しております。
今までの紙契約書での工数、具体的には紙契約書の印刷、押印出社、押印業務、郵送手続き、紙契約書のPDF化、などの手続きが省略されたため、全社的な工数が大幅に削減されています。また、印紙代も大幅に削減されました。また、紙契約書への押印の場合には、急ぎの押印依頼には対応できなかったのですが、クラウドサインを導入後は急ぎの押印依頼にも対応できるようになりました。

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ユーザーコミュニティ「Re:Change」

クラウドサインのヘビーユーザーとなった当社ですが、他社の運用状況やもっと便利に使える方法はないかなということで、色々情報収集が必要であると考えていた丁度その時に、クラウドサインユーザーコミュニティRe:Changeのお誘いがあり、こちらに参加しております。
Re:Changeはユーザー同士が主にslack上でやり取りしていますが、情報交換に加えて雑談スレッドもあり、終始ワイワイしている印象です。少し前はクラウドサインオリジナルスタンプの会話で盛り上がっておりました。笑
Re:Change居心地の良さと交換できる情報の有益性が高く、初めて事務局の方と対面した時には、つい社内のチームメンバに接する雰囲気で「お疲れ様ですっ」と言ってしまったくらいです。また、Re:Change内における情報のやり取り、仕様要望が反映されることもあり、事務局の方がしっかりとユーザーの要望を伝えてくれているんだなという安心感もあります。
今後はRe:Change主催のイベント等に参加し、引き続き楽しく情報交換できれば良いなと考えております。ほんと、居心地良くてお勧めです。

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