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信用できるのは自分だけ、それ即ちWeb3

Web3ってなんですか?と言われて、一番手っ取り早く答えるとしたら「自分だけを信じればいい世界」になると思います。
今日はその背景について書いていきます。

「信用できない」ことでかかるコスト

今の社会には顔も知らない誰かを「信用しないといけないシーン」があります。

分かりやすい例を挙げると
・Twitterで知り合った転売屋と金銭が絡んだ取引をする
・海外のサービスを利用するためにクレジットカードで先払いをする

無条件に他人を信用するリスクは高いので、それを軽減させるサービスやプラットフォームが存在します。

例えば契約が履行されなかった場合に第三者がその損失を負担する保険サービス。
取引を仲介する第三者がモノと金銭を一度預かり、両者が揃ったら渡すプラットフォームサービス。(メルカリなど)

当然これらのサービスを利用するには手数料を払う必要があり、これは信用できないが故に発生しているコストと言い換えることが出来ます。

根源的な部分においてもある

先ほどの例は分かりやすかったですが、もっと社会の根源的な点において「特定の誰かを信用しなければいけないシーン」は存在します。

お金

お金は、国や中央銀行が恣意的に発行や流通をコントロールすることが出来ます。

実際にリーマンショックの際には、民間企業であるはずの金融機関に公費が投じられて救済されました。
経済の要である金融機関を潰してはならないという判断故ですが、それでも「普段社員は高給もらってるのに、いざ潰れたら税金で救済されるんかい」と感じる人もいます。

また国際的な基軸通貨であるドルに関しても、アメリカとトラブルになった国は経済圏から締め出される措置がとられます。

経済の血液であるお金においても、特定の機関や国を信用している側面があるわけです。

個人情報

個人情報は日々狙われ流出しています。
東京商工リサーチによると、2011年~2022年に上場企業とその子会社における個人情報の漏洩数は1億2,572万に及ぶようです。

サービスを利用するためには個人情報の提出が必要なので消費者に選択権はなく、また運営者側もサービスを運営するために必要に駆られて個人情報を収集しているシーンは多いです。
ただ結果として第三者である企業が個人情報を持つことになるので、個人の安全が外部要因で侵されるリスクが発生してしまいます。

Web3の思想

Web3が実現しようとしているのは「誰も信用しなくてもいい世界」です。
そうすれば自分以外の誰かの悪意や過失で損失を被ることもないし、信用にかかるコストも削減できるのです。

そのために、ブロックチェーンという管理者のいないインフラ基盤を使い、情報や資産の管理に必要となる「秘密鍵」をユーザーが自信で管理する技術仕様となっています。

もちろん「他者をまったく信じなくてもいい世界」はユートピアです。実際には外部に責任を持たせた方がスムーズに進むことはたくさんあります。

しかし、デジタル上でユーザーを保護する究極の仕組みが「そもそも誰も信じなくてもいい世界」というのは興味深く突き詰める価値があると感じます。

おまけ(ビットコインに込められたメッセージ)

Web3の元祖ビットコインでは、一番初めに発行されたブロック(ジェネシスブロック)に

The Times 03/Jan/2009 Chancellor on brink of second bailout for banks
(The Times 2009年1月3日 首相、銀行に対する2度目の救済措置の瀬戸際)

というメッセージが書き込まれています。

これは2009年1月4日のイギリスの新聞「The Times」の見出しであり、リーマンショックに伴う公費による銀行救済を伝える記事です。

政府によって通貨が管理されている現状に対する問題提起、真に自由な通貨としてサトシ・ナカモトがビットコインを発明した意図を伝えているのではないかと言われています。

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