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老舗本屋デートとお別れ
熊本の城下町の風情を残す「新町」。
その一角に、創業明治7年の長崎次郎書店がある。
大正時代に立て直された店舗は、登録有形文化財に指定されいる。
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店内は落ち着いた佇まいで、本棚からは店員さんの気持ちや意図を感じる。
探し易くはないが、出会い易そうだ。
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イチオシの棚に、お友達から聞いていた本があってニヤニヤする。
本に人との繋がりを感じるのは嬉しい。
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お店の一角に、小さなギャラリーもある。
静かな書店に、絵画はぴったりだ。
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作品の感想などを自由に書けるノートがある。
絵画を通して感じたことや気持ちを書き残して、誰かと共有できる心遣いが嬉しい。
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猫がモチーフの栞や付箋など、雑貨も並べられている。本と猫がなんとなく合うのは、夏目漱石らの偉業か、自由を感じるからか。
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2階の「長崎次郎喫茶室」では、さらに穏やかで贅沢な時間を過ごすことができる。
今日のデートでは、パートナー(三女)がお気に召さなかったのが残念だ。
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店内に入れなかったためみんなのフォトギャラリー(美希|街撮り屋さん)からお借りしたサムネイルが、長崎次郎喫茶室の店内の写真。
数多の読書家たちが寛いできた空間で、ゆっくりとした時間と自由を堪能できる。
この長崎次郎書店、今年で創業150周年。
そして、本日で閉店(休業)である。
インターネット通販が席巻したことで地域の書店が次々と消えゆくなか、この歴史ある書店も例外ではなかった、ということだろう。
今日はどんな本を買うか決めずに来店した。
書店の醍醐味である出会いを楽しむ。
平置きされた本から一つ選んで購入した。
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久々の老舗書店は、どことなく自由だった。
そう感じたのは
棚に並べられた本からか。
雑貨のモチーフの猫からか。
静かな店内でも小走りの三女からか。
各々に穏やかな時間を過ごす喫茶室からか。
せわしなく窮屈な現代は、
ポチッとすれば玄関に届く。
そこには余白がない。
地域にささやかな自由を与え続けた
小さな書店に別れを告げた。
そして、もう少し本を読みたいと思った。
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