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カラープロファイルのはなし

カラープロファイルを使用したことはありますか?カラープロファイルというのは、データの持つ色をどのように再現するか指定するものです。
カラープロファイルが正しく設定されていないとプリンターやディスプレイは、見ていた時の色をうまく表示することはできません。

カラープロファイルについて知ることで正しく利用し、色が変わってびっくりしてしまわないために、うずらはカラープロファイルのおはなしをします。

カラープロファイルとは
マウスやペンタブを使うときに、筆圧や感度を正しくパソコン上で読み込ませるためにはドライバをインストールすると思います。「色」にとってのドライバーがカラープロファイルです。
イラストや写真など画像データも、自分が今使っているパソコンだけでなく別のモニターやスマートフォンで表示することがあると思います。また、家庭用プリンターやネットプリントなどプリンターで画像データを出力することがあるかと思います。このような、表示や出力の際に「色」を読み込む必要があります。読み込むためのドライバーがカラープロファイルといえます。

カラープロファイルにとっての「色」
色には、数値があります。RGBの場合には、0~225までR・G・Bそれぞれの色をどれぐらい強く発光させるかという数値が振られています。CMYKの場合には、0~100%までのインクをどれぐらい使用するかという量が設定されています。カラープロファイルは、その「色」が持つそもそもの数値を読み込んで、何色で再現(≒表示)するか決定します。
例えば、BがMAX値の255のときに 海みたいな青色 にしてくれる Aというカラープロファイルがあった場合、データ上でR0,G0,B255で色を塗っていたらAのカラープロファイルを適用すると、どんなモニターを使っても 海みたいな青色を再現してくれます。※1

カラープロファイルってどれ?
・Photoshopの場合には…
編集>プロファイルの指定、プロファイルの変換 で一覧で表示されます。
また、ウィンドウ>情報 で情報タブを表示している場合には指定してたデータの持つカラープロファイル名が情報内に表示されます。

・clipstudioの場合には…
ファイルメニュー>環境設定>カラー変換 でカラープロファイルを指定できます。

どちらのソフトも、保存時にICCプロファイルを埋め込むと設定したカラープロファイルをデータに埋め込むことができます。一覧として表示されるぐらいカラープロファイルにも種類が多くあります。CMYK形式、RGB形式どちらも複数の種類があります。

どのカラープロファイルを選べばいいのか
RGB形式、CMYK形式どちらにも種類が多くあるカラープロファイルですが、一般的に使用されている(プリンターや印刷機、ディスプレイなどで標準として運用されている)プロファイルは決まっています。
・RGB形式の場合には、「sRGB」「AdobeRGB」
・CMYK形式の場合には「JapanColor2001」「Japancolor2011」です。※2-3

色域が広い(表示できる色の数多い)のは「AdobeRGB」になり、色の変換は基本的に下位互換は出来ても上位互換は出来ないのでRGB形式でデータを作る場合、「AdobeRGB」でデータを作っておけば、sRGBに変換した際もCMYKに変換した際もある程度鮮やかに変換されるので良いと思います。ただし、RGBとCMYK自体が別物なのでCMYKの色域でしか再現できない色もあります。
つまり、よくわからなかったら取り合えず「AdobeRGB」にしておけばCMYK形式に変換が必要な時にも色がくすみにくくなるので良いということです。
ここで1つ注意してほしいのですが、一般的な家庭用プリンターなどは「sRGB」を基準に動くように設計されていることが多いので、「AdobeRGB」を埋め込んだデータを出力するとめちゃめちゃ色が濃くなる可能性があります。その場合プロファイルを「sRGB」にしたり、埋め込まないで保存すると思った色に近づくかもしれません。

自分が再現したい「色」がどんな色なのか、カラープロファイルを使ってしっかりと表現してみてください!

余談
家庭用プリンターもインクの残量や湿度(紙の状態)で色が変わることがある他にそもそもプリンターのメーカーの「色」への再現性の方向がちがうために同じデータを出力しても色が変わることがあるのですが、コンビニにあるネットプリント用のプリンターも同じように色が変わりやすいです。
そもそも、ネットプリント用として置かれているプリンターの機種はカラープロファイルを扱ったりを前提としていない機種です。
とりあえずなんかいい感じにプリントアウトしたい!ってときにネットプリントは使うとハッピーだと思います。こだわるなら、印刷会社に入稿しよう!!!

※1 カラープロファイルが正常に適用されていても、モニター自体のカラー設定がガンマ値を爆上げしていたり省電力設定で暖色になっていたりと、あまりにブレている場合 海みたいな青 が アルカリイオンの水のロゴみたいな色 や緑色っぽく見える可能性はあります。
※2 「Japancolor」には「coated」と「uncoated」とついたものがありますが、コート紙と上質紙の違いです。コート紙に印刷するのを想定してCMYKに変換する「coated」の方がインクが濃く変換されます。白い一般的な紙への印刷を想定しているなら「coated」で問題ないと思います。
※3 「Japancolor2011」はクリスタには無いみたいです。CMYKつかうならPhotoshopしか勝たん…。

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