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ちゃんと終わらせることの大切さ

 2月になっても、まだまだ感情の波に翻弄されていた2日金曜日、忙しいわけでもないのになんだか疲れが溜まっていて、やけに身体が重く感じられたから、ふと思いついて、ホットペッパービューティーでリラクゼーションサロンを検索した。

 だいぶ前の前回は、地元愛があるから地元でお金を落とそうと、地元のリラクゼーションサロンへ行ってみたけれど、競合のない地域はやっぱりクォリティが落ちるもんで、疲れがとれるどころか不満が溜まった帰ってきてしまったので、今回は慎重に検索した。

 それでもあまり遠くに行く気力はないし、銀座だとてガッカリした経験があるので、横浜で翌日予約ができるサロンを予約した。

《ボディケア&アロマエステ》Bell Epoc 横浜ワールドポーターズみなとみらい店

 商業施設内の店内は手狭で、最初は「えっ」と思って、あまり期待できないかも…と思ったのだけど、担当してくれた方の施術が私好みで、特に凝っている肩周りを念入りに流してくれたのと、ヘッドマッサージが過去一上手で、驚くほど身体が軽くなって疲れが吹っ飛んだ。

 そして、溜まった老廃物をしっかり流して身体が軽くなったら、不思議と心まで軽くなった。
 前回の記事でも、ストレスが溜まって眼瞼ミキオニアになって、思考を変えたらすぐに治ったと、身体と心が密接に繋がっているなと書いたけど、今回は身体の老廃物を流したら心まで軽くなるという体験に、改めてその密接さに驚かされた。

 そしてそれに気付いたのは、節分の日だった。

 節分とは…
【「一年間健康に過ごせるように」という願いを込めて「悪いもの」を追い出す行事】

 鬼は外!といった感じで、身体の中の老廃物を追い出したら、身も心もリフレッシュされた。

 そして、忘れていたけど、ワールドポーターズって、元旦に訃報が届いた彼と、何度も何度も何度も行った思い出の場所。
 今家にある家具は、ほとんどが昔はあった何店舗ものワールドポーターズ内の家具屋さんを回って、2人で吟味して買ったものばかり。

 そんなワールドポーターズの店内は、彼と行っていた頃のお店など殆どなくなっていて、よく行った家具屋も、洋服屋も、アクセサリーやバックのお店も、ゲームやガチャガチャのお店に変わっていて、6年ぶりに訪れた私は、まるで浦島太郎になったような気分だった。

 そして軽くなった心で思った。

 「ああ…終わったんだ」と…。

 私は彼の死を受け入れられなかったんだ。
 だって、余命宣告も知らなかったし、看取ることもできなかったし、お通夜にもお葬式にも参列できなかった。
 全てが終わった後に年賀状で知らされた元彼の死。

 両親の死は、介護から始まって覚悟ができていたし、看取ることもできたし、喪主としてきちんと送ることができたから、徐々に受け入れる事ができた。

 でも、全てが終わった後でのただの知人からの知らせでは、納得できなかったのだ。

 だから、昔で言うなら戦地で亡くなられて、ただの通知だけで遺体が帰って来なかったご遺族や、震災で行方不明のまま死んだとされた方々のご家族が、その死を受け入れられないのは、自分自身を納得させることができないからなのだなと、改めてその辛さに思いを馳せた。

 そうなんだと思おうとしても受け入れられない。
 証拠がない。確証がない。
 だって…元気な笑顔しか思い出せないんだから。

 でも、私はこの節分の日、肉体の老廃物を追い出して軽くなった心で、まるで様変わりした思い出の場所を見た時、ようやく彼との関係が終わったこと、いや、終わっていたことを受け入れられた。

 時代は変わるし、終わらないものはない。
 それは悪いことじゃなく、自然の摂理で、物事も身体も人との関係も新陳代謝を繰り返していくものだ。

 そして、ちゃんと終わらせることの大切さを改めて痛感した。

 急に、昔よく歌っていた、「♪さよならさえ上手に言えなかった♪」で始まる、小泉今日子さんの『あなたに会えてよかった』を思い出した。

 そう、さよならが言えなかったんだ。
 遅くなったけど、ちゃんとさよならと言おう。

 さよなら。ありがとう。

 ♪あなたに会えてよかったね きっと私
  世界で一番素敵な恋をしたね♪


 スッキリした。
 これでようやく次に進める。


 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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