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vol.22 <実践編>頭蓋骨の呼吸を整えて生産性UP

トレーナーとして培ってきた経験を最先端の研究結果と照らし合わせながら日々研鑽を積んでいくように心がけていますが、一方で、私自身のポリシーとしては、あくまで文献や研究はデータとして大切に考えなければいけませんが、現場での「数値化出来ないもの」も同時に大事にするということです。

ヒトの身体は神秘的で無限の可能性を秘めています。特に私が今、提言している「対症療法の時代」から「一人ひとりが学び予防していく予防医学の時代」に変化するはず、という考え方でいくと東洋医学は非常に大切です。

鍼等といった非常に繊細な技術や感覚は、数値化出来ません。症状が出ている離れた箇所からアプローチすると言った技術も東洋医学ならではです。私は西洋医学、東洋医学どちらの考え方もヒトを捉える上でバランス良く統合することが必要だと考えております。

この項目から紹介するセルフケアは私が実際にクライアントに処方するエクササイズだったり、ストレッチといったものになります。もちろんnoteをご覧になって下さる皆様全員の症状を改善させるものではありませんが、同じ症状を抱えた方達が改善した効果のあるものです。是非参考になさってください。

⚫︎頭は呼吸する

え?と、思いますよね。
でも、頭は呼吸するんです。

我々の心臓は何故動くのか?
血液を運ぶ為ですね。

では頭蓋骨は何故呼吸するのか?
それは脳脊髄液を運ぶ為なのです。

脳脊髄液は150ml流れていて、1日で500mlほど産生されるため、基本的には1日で3回ほど入れ替わるということになります。この脊髄液が緊張や歪みによって円滑に流れなくなると、流れる量が減ったり、循環が悪くなることで静脈の圧力が変わったりします。

これが頭痛、めまい、凝りなどといった症状を引き起こします。同時に、脳や神経への栄養供給にも関わるので自律神経系にも影響があります。


⚫︎頭蓋骨の呼吸をケアする

頭蓋骨は繊細な関節なので強い力は必要ありません。静かな所で両手をそっと頭に添えると広がったり萎んだりするのが分かるのですが、これは熟練したセラピストやトレーナーでも感じ取れない方もいる程の非常に小さな動きなので簡単な方法をご紹介します。

これをセルフケアに導入して下さったクライアントの中には、毎年2回、各1週間ほど目眩で仕事を休まないといけなかった辛い症状が昨年は1回、しかも1日で治るまでに改善した方もおられます。

簡単に動画にしましたので是非参考にして下さい。

片頭痛、目眩のセルフケア

色々な考えがあると思いますが、少し専門的なことをお伝えしますと、私の経験では、頭蓋骨の呼吸は10〜15秒で広がって、また同じ時間かけて萎むリズムである、と捉えています。

ですので、セルフケアをする際には、出来れば、一つのサイクルを20秒程取って頂き、3サイクルで1分間程度、耳を使ってケアをしてみて下さい。


数値化出来ない身体性という価値をいかにして引き出していくか?
身体は個々に違う、多様であるからこそ、一元的に「良い」「悪い」と判断をし、対処療法で対処するには限界がある。

だからこそ、身体の発する「声」に耳を傾けながら、一人ひとりと向き合い、それぞれの身体性を引き出していくことこそが、今後のトレーニングにおける重要な「メソッド」になると考えています。

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