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ガチ対話があるから「自律」と「成長」が加速する

rebornの揺さぶるメディア(仮)は、【認知変容によって企業価値を再定義する】をテーマにしています。

今回は、株式会社ジョイゾー代表取締役社長の四宮靖隆さん(以下、しのみーさん)と、取締役COOの四宮琴絵さん(以下、こっちさん)にインタビューをさせていただきました。
ジョイゾーさんは「楽しむ」ことを合言葉に、エンジニアとお客様のありたい関係を再構築する業界構造の変革に挑戦しています。SIer業界はなぜ過酷なのか、どうすれば「楽しむ」を実現できているのか、その理由に迫ります。インタビュアーはreborn株式会社の早田早弥香(以下、さーさん)です。

下請け構造では、誰のための仕事か分からなくなることがある。

さーさん:ジョイゾーさんはキントーンに特化したシステム開発をしていらっしゃいますが、どういった経緯だったのでしょうか?

しのみーさん:自分がエンジニアとして働いていた時に、業界特有のブラックな労働環境に課題を感じていて、それを解消する糸口になると思ったからです。開発負荷が大きいと、どうしても早朝から深夜遅くまで働くことになってしまいます。そうやって一生懸命作っても、お客様からは「こんなもの使えない」と怒られたりすることも多くて…

こっちさん:下請け構造だと、ただただやらされ仕事になってしまうんですよね。私もエンジニアとして働いていた時はその点にもどかしさを感じていました。開発の中で「こうした方がお客様のためになる」と確信していて、実際に現場でお客様とも意見が一致しているのに、元請けからは「言われた通りにやってくれ」と一蹴されてしまう。そんなことを繰り返していくうちに、自分の仕事が誰のための何のための仕事なのか分からなくなることがありましたね。

しのみーさん:その点、キントーンを使えばお客様と直接やり取りしながら一緒に改善していけます。本当に顧客価値になることだけを提供できるんです。

さーさん:業界に対して感じていた課題の解決法が、キントーンだったんですね。ジョイゾーさんは「楽しむこと」を企業理念として大切にしていらっしゃいますが、そういうところに通じていくのでしょうか?

こっちさん:まさに繋がっています。私たちの仕事はシステムを作ることだけではないんです。システム自体は手段として使いますが、どうやってその会社さんの悩みを解決できるのかを考えることが重要だと思っています。会社さんの悩みを解消することで従業員さんの仕事が効率化する。さらにはプライベートも充実して人生を楽しめるようになるところまでをイメージして、開発に取り組んでいます。

しのみーさん:「お客様のためにならないことはやらなくていいよね」って言える提案の仕方があるので、お客様と一緒にハッピーになれるっていうのがとてもやりやすいし、あるべき姿だと思っています。今でもジレンマや悔しさを抱えながら、「エンジニアってこういう仕事だから仕方ないよね」って諦めてしまっている人も多くいると思うんです。だからこそ、自分たちが意義を感じられることを実現できるんだって、楽しめるんだってメッセージを業界に伝えていきたい。システムを作る機械のようにエンジニアを扱う会社は淘汰されていくべきだと思ってます。

さーさん:rebornとしても興味深いです。rebornは企業価値の定義を大切にしていますが、ジョイゾーさんは利益を出すことに加えて、業界を再定義し仕事も人生も「楽しい」世界をつくることも、企業価値に含めて経営されているように見えます。

「楽しむ」という企業価値を実現するための人事制度

さーさん:ジョイゾーさんは、企業哲学に沿ってキントーンを軸にした事業を展開されていますよね。人事制度はどのように構築されていますか?

しのみーさん:ある程度社員が増えて来た時に人事制度を作らないとなと感じ始めたのですが、人を縛るような仕組みは絶対に嫌だったんです。そんな時「自己申告型給与制度」というものがあると知って、これならうちの会社にマッチするんじゃないかと導入しました。自分自身で評価を行って、その上で希望する給与額を提示してもらうやり方です。給与に対する考え方も、「過去の評価」ではなく「未来への投資」と捉えるように変わりました。

さーさん:とても大きな改革だったと思いますが、自己申告型給与制度の導入によって最も変化したことは何ですか?

しのみーさん:この制度の導入によって、社員の「自律」と「成長」が促されるようになったことです。それまでは企業理念である「楽しむこと」の解像度があまり高くなかったのですが、「自律」と「成長」を会社としてサポートすることによって「楽しむこと」が実現されていくのだと腹落ちしたんです。ワーケーションの制度やライブイベントの開催なども実現しました。

さーさん:社員の方々は新しい給与制度を柔軟に受け入れられたのでしょうか?

しのみーさん:想像していたよりずっとスムーズに導入できたと思います。「理解できません」とか「会社に決めてもらいたいです」っていう声が上がるかと思っていましたが、多くの社員が自分の考えを持ってきてくれました。その時には用意できなかった人とも「次回はこうやって考えてみよう」と対話しながら進めていったら、半年後1年後には社員全体に浸透していきました。

さーさん:それだけスムーズに受け入れられたということは、それまでに社員の方々との信頼関係が構築されていたということなんでしょうね。

しのみーさん:そうですね。その辺りは、特にこっちが1on1などを通じて築き上げてきたと思います。彼女は従業員ひとりひとりに本当に真っすぐ向き合うので。

本音の対話をしあうことで、企業文化として浸透していく

さーさん:こっちさんはどのようなことを意識して1on1をされているのでしょうか?

こっちさん:私が考えを示したり方向性を押し出したりするのではなく、相手にいろんな角度から問いかけて本人から答えを引き出すように心がけています。例えば、軌道修正が必要だなと思う言動等があった時も、私が指摘して直させるのでは自律が促されないので、「どういう考えでこれをやってるの?」とか、「これは周りから見たらどう見えると思う?」というような問いを投げかけています。本人も気が付いていないようなところをつついていくと、そのうちポロっと答えが出てくるんですよね。自分で答えにたどり着くと、本人もしっかり腹落ちして次のステージに進んでいける感じがします。

さーさん:そういうやり方で導いてくれると、社員の方々はすごくありがたいと思います。こっちさんはすごく優しいイメージがありますが、厳しいフィードバックをすることもあるのでしょうか?

こっちさん:もちろんあります。耳障りの良いことばかり言うのではなく、辛辣なことや厳しいこともどんどん言います。なんとなくモヤモヤしているとか、なんとなくギクシャクしているとかっていう状況が1番嫌いなので。とことん本音で向き合うようにしています。

しのみーさん:若い社員に対してだけではなくて、最近入社した60代の社員とも本気の1on1をしたよね。実はその方はもともと私たちの上司だったんです。定年退職したけれどまだ現場で働き続けたいっていうことだったので、それなら私たちと一緒に新しいことにチャレンジしましょうとなったんです。でも、だんだんと当初私たちが期待していたことと本人の働き方にずれを感じるようになってきて。そこで「入社した時に抱いていた気持ちがなくなってきちゃってるんじゃない?」っていう話をしました。

さーさん:元上司となれば、切り込んでいく方にも覚悟が必要ですよね。

こっちさん:その方もとても良い人で、私たちにしっかり向き合ってくれました。「新しいことを一緒にやろう」って入社してもらったけれど、よく考えたら私たちの考える「新しいこと」と60歳で定年した後に思い描く「新しいこと」って違っていたんです。当たり前ですよね。そこの認識を合わせるためのコミュニケーションが不足していたと気が付いたので、お互いが納得できるまで話し合いました。対話を通じて、改めて同じ目的に向かっていくんだという「覚悟の交換」ができました。

経営陣が文化を体現する段階から、社員全員で文化を醸成する段階へ

さーさん:SNSを拝見していると、特にこっちさんはいろんなコミュニティーに参加したり地方に出かけたりしている様子ですが、それはどういった理由なんですか?

こっちさん:自分自身がワクワクできることをやって、常に新しいことに挑戦したいと考えているんです。最近はファシリテーションをやったり、イベントで登壇したりする機会もありますが、毎回反省ばかりです。やっぱり失敗すると成長するなっていうことも感じています。
ジョイゾーの中で仕事をしていると、みんなすぐに業務を遂行するのが上手になるんですよ。でも、上達すると改善点が見えなくなっていくから、本当はみんなもっと新しいことにチャレンジして失敗した方がいいんです。そういう意味で、社内に常に新しい風を吹かせられるように外でのインプットに努めています。

さーさん:rebornで言うところの「認知を揺さぶる」ですね。

こっちさん:そうやって会社を進化させて、新しいチャレンジやワクワクを社員に提供できるようにしないと優秀な人ほど辞めていってしまうと思うんです。これまでにも、もっとアグレッシブに挑戦したかったけど、私が社員の足並みをそろえようとしたばかりに辞めてしまった人もいました。当時は会社がそういうステージだったから仕方なかった面もあるけれど、今はどんどん刺激を与えて社員の成長にコミットしたいと考えています。

さーさん:今後さらに「自律」と「成長」を押し進めていくに当たって必要だと思うことはありますか?

こっちさん:今は私だけで社員の「自律」と「成長」をバックアップしているけれど、同じことができる人が社員の中にも出てくるといいなと思っています。エンジニアは論理的思考が強い人が多いので、人の気持ちにフォーカスする対話手法を習得することが難しいと感じることもあります。お客様に常に本音を伝えて、やる意味がないと思うことははっきり言う姿勢も「こっちさんだからできるんでしょ」と捉えられてしまいがちなんです。その辺りも同じようにできる人がでてくるといいですよね。

さーさん:これまでは、常にこっちさんが文化を作って体現してきたけど、それを手放していくのが次のフェーズなんですね。

終わりに

会社という場で「楽しむ」を体現することは、簡単なことではありません。社員の方々への覚悟をもった向き合い方や、業界へ挑戦していく本気の姿勢が「楽しむ」と「仕事」を両立させているのだと感じました。本音の対話や覚悟の交換など、rebornが大切にしているカルチャーと共鳴する部分が多く、ジョイゾーさんの次のフェーズにも引き続き注目していきたいと思います!

最後までお読みいただきありがとうございました!
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ライター  小松千波
編集 羽渕彰博
校正 森まゆみ


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