圧倒的無敵と闘う存在感
昨日、ススキの生えっぷり、伸びっぷりがあまりに見事だったんで暫く眺めていたんです。
フラワーアレンジメントなんていう、花や葉や枝を使って組み合わせるってのも随分綺麗なんですが、
あの野生の生え方や伸び方の勢いとキレと堂々さは敵わないものがあるなと。
自然や野生とは何でしょうかね?
あれらは無ですからね、無敵ですよ。
アレンジメントってもちろん人工的なものではあります。
そして自然に対する想いってのもやはり人工的ですね。
自然や野生は人間の評価など求めてないですから。
ハイパーメディアクリエイターの高城さんが、自然に対してカッコイイとは思わない、だからカッコイイってのは不自然なことなんだと言ってるのをいつかどこかで見ました。
でもキューバ行った時、タクシーの運ちゃんが寄ってくれた、たぶん有名スポットな川のあちこちに生えてた木はカッコよかったんだよなあ。
僕は常々、色々な自然物を見てもカッコイイと感じてしまうんですが、コレはもう不自然の塊なんでしょうね。
頭の中が。
例えば木の枝の伸び方、生え方、捻れ方、色味とか存在感とかカッコイイと感じるポイントはたくさんあります。
さっきのススキだってカッコイイと思いますもん。
あ、そういえば、
"これは正に自然がつくりだしたアートだ!"みたいな表現は気持ち悪いし、頭にきます。
アートなんてのは人間の様々にある概念の一つであって、そんな一つの枠に自然をハメ込んで簡単に理解出来るもんじゃないと思います。
自然は無敵ですから。
無である自然に近づこうとしても捉えきれない。
大小様々、何かしらの恩恵は得ているだけ。
それを切り取って写真や絵に収めたところで自然を理解したり、自然の一部になることはない。
思うのは自由ですがね。
究極の自然は宇宙ですね。
アレの存在も全くもって分かりません。
何であるの?
我々の人間の存在すら全く立証できないし。
だから太古から人間はモガき苦しんで空を眺め、風を感じ、水の流れを見ては様々な物語を作ったんでしょう。
そこに価値観だの何だの付随してってオゴリが出てさ。
生贄だの、血だの、涙だの、何やってきてんでしょうね。
んでアッサリ、無の自然に殺されたり。
でも過去のそんな人間の種々様々な悪足掻きがアートではないかとも思うんです。
圧倒的な無敵存在の大自然、大宇宙に対する人間の足掻き、畏怖、オゴリ、敗北から生まれた感情やソレらを表現した造形物。
絵にしろ字にしろ、誰でもかける。
ただそれが良いと思われるかどうか。
心であれ、思考であれ、思想であれ、行動であれ、良いものは人の何かを動かす力がある。
良いかどうかの基準はやはり、圧倒的な無と闘った経験値がモノをいうと思う。
だから上っ面だけなぞってるような猿真似は論外。
闘って心がズタボロになって血を流さない限り、変化は起きない。
子供の絵は無邪気さ、純粋さが満ち満ちてるけど、アレは自然に近い無だからでしょう。
ただ経験値が足りない。
子供の絵と、良い評価を得る子供のような絵は全く違う。
絵を眺めて、言葉にならずとも溢れてくる感情の正体は裏に潜む描き手の闘いの経験値。
大人になるにつれ忘れていく感情。
無。
だから無の自然の中に身をおくと落ち着くんだと思う。
怒りをもって無に存在をブツけて闘うも良し。
悟りをもって無に存在を委ねて闘うことを拒否するも良し。
ただどちらにせよ、何かは生まれる。
それを掴んでブツける。
存在感をつくる。
そこにアートになるかもしれないモノが生まれるはず。
我が存在が無くなるまで、それを信じて創り続けるつもりです。
圧倒的自然の無。
無敵。
ムカつくな。
だけど、現代アートってのはこんな熱苦しいところからとっくに抜け出してんだよね。
ある人間の存在、闘いの経験とかの主観を求めてないんだもん。
猿真似でも上っ面でも、革新的な面白さがあればOKっぽい。
ただ時代の流れを変化させたかどうかってのが重要ポイントだろうな。新たな道を作ったのかどうか。
多様性がより当たり前になった世界で新たな道を切り拓くのはかなりハードルが高い。
インターネット、SNSによって多様性が生まれたんでなく、元々多様な人々は居た。それをインターネットやSNSで世界同時に認識されるようになっただけ。
つまり価値観も多様化。
様々な価値観、様々なコミュニティが溢れてて、その中の一つの小さなところでしか評価されない状況ってのもあるけど、
多様性って認識がもっともっと拡がれば価値観も融合して、コミュニティも融合してって、なんだか面白いことになりそうではある。
アートがもはや実体を伴ってないくらいにまでなってきてるっぽいですが、そうなるとアートの概念って底なしですね。
底なし、無、宇宙感。
でもそこでやっぱり僕は、無に対する自分の存在とは?に立ち返ってしまうな。
現に今ココに在るし。
闘いこそ無限♾だな。
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