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【経鼻経管栄養】下痢が続いたらどう対処する? 🏥NST専門療法士が解説
大学院で学んだ公衆衛生学・疫学の知見を元に健康的な社会を作りたい理学療法士のジローです。
普段は、回復期リハビリテーション病院という、リハビリ専門病院で、主に脳卒中患者さんの対応をしています。
病院の中では、栄養サポートチーム(NST)に所属しており、院内の栄養問題の前線にいます。
今週、後輩の理学療法士からこのような相談をされました。
今、受け持ちの患者さんが経鼻胃管からの経腸栄養なんですが、ずっと下痢なんですよね。
どうにかなるものなんですかね?
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皆さんの現場では、このようなケース多いですか?
少ない?
気にしたことがない?
‖ 栄養剤を注入していたら下痢することもあるでしょう。でOK?
うちの病院では、訓練中に患者さんのトイレがはずんだら、同性ならセラピストも介助に入るので、出る便の性状もいくらかは見ます。
しかし、理学療法士は、看護師さんよりは入る数は多くないですし
実際に便失禁した場合に、陰部洗浄をして、オシメを取り替えるような介助は、介護士さんや看護師さん任せです。
たかが下痢??
1、せっかく摂取したのに栄養になっていない
下痢をしているということは、腸管内の滞留時間が短いということです。
せっかくたくさん入れても、栄養分になっていなければ意味がありません。
2、水っぽい便は、取り替える介助が大変
介護士さん、看護師さんいつもありがとうございます。
家に帰ったら、介護する人が取り替えなければなりません。
シーツや下衣に便が付着しやすい。
介護のプロでなければ、交換が非常に難しい。
硬い便なら、肛門周囲を拭くだけで済むのに….。
どうしてもベッド周りや服が不潔になりやすいです。
3、訓練に集中できない
リハビリでは、トレーニングで力を込める事があります。
お腹がグルグルしていれば、漏れそうでリハビリに集中できないでしょう。
4、訓練中に便失禁して訓練が中断してしまう
訓練中に漏れてしまった場合は中断する必要があります。
取り替えに時間がかかれば、予定していた訓練時間より短縮した単位数しか訓練できないでしょう。
本人、介護者双方にとって良いことは何もありません
‖ 経腸栄養で下痢が続く場合の対処法
1、急にたくさんの栄養剤を入れていませんか?
絶食に近い状態から急に栄養剤を入れると、腸管が栄養剤に慣れていないかも。徐々に量を慣らしていきましょう。
2、栄養剤が冷たくないですか?
管理は難しいのですが、提供前には人肌程度にしておきましょう。加温する場合は、パックのまま60〜70℃で10分程度加熱すると良いです。
3、栄養剤の注入速度が速すぎませんか?
滴下速度を遅くしてみましょう。それでも速すぎなら、注入ポンプを検討しましょう。
4、栄養剤成分自体が、当該患者さんに合っていないかも
牛乳を飲んでお腹が緩くなる人(乳糖不耐性)や、乳製品に対するアレルギー体質では、成分を変更する必要があります。
5、注入速度を下げても下痢が持続する場合は、一旦腸管をお休みさせる。
その場合でも、成分栄養やGFO製剤(G:グルタミン F:ファイバー(食物繊維)O:オリゴ糖)を併用し、腸管の最低限の機能は維持する
*今回は、経鼻胃管での栄養剤のお話ですが、胃瘻からであれば、半固形栄養剤を使用するという選択肢もあります。
理学療法士も基本的なノウハウだけでも知っておくと、医師や看護師に提言しやすくなりますね。
近年、リハビリ学生への栄養の授業が必須になっていますが、このような内容は教えてもらえるのでしょうか?
私は、栄養分野に入ってくるまで、全く知りませんでした!
この知識は、日本臨床栄養代謝学会のNST認定療法士の内容を参考にしています。理学療法士でこの資格を持っている人は、まだまだ少ないです。
重要と思った人!
資格チャレンジャーをお待ちしています。一緒に盛り上げていきましょう!
↓↓ 専門療法士取得のためのテキスト。640ページあります(鬼)
↓↓ ガイドブックだけでも目を通しておくと良いですね。
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