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【RS:COLUMN】路上ライブに思うこと

先月、ちょねさゆさんの路上ライブを拝見した都内の某駅で、今月はみおうさんを見かけました。弊誌スタッフの鈴木飛翔くんも、時々、神奈川県の海老名駅などで歌っています。

合法的に路上ライブが出来る場所が増えてきていて、素敵ですね!

REASNOTを始める前から、路上ライブをしている人を見かけたら立ち止まることが多い私です。

今日はちょっとだけ、路上ライブについて書きたいと思います。


1.オリジナル曲を歌ってほしい

私の勝手な意見ですが、せっかくの路上ライブでカバー曲ばかり歌っておられる方を見ると、つい、思ってしまうのです。

「何のために路上ライブをされているのでしょうか?」と。

歌うことが好きで、開けた空間で歌うことが楽しいだけという方は、それでいいと思います。好きな歌を好きなように歌うのは素晴らしいことです。

あるいは、企業等の協賛がついている会場で、主催者からギャラを貰って「道行くお客さんを楽しませてください」と仕事を請け負っているなら、客層に合わせてカバー中心の選曲になる日もあるでしょう。

でもほとんどの場合は、「自分の名前を知ってほしい」「CDやグッズを買ってほしい」「SNSのフォロワーを増やしたい」「ライブの集客を増やしたい」など、まとめると「自分の活動を広める」という目的のために、無報酬で路上に立っていらっしゃいますよね。

それなら、オリジナル曲を演奏してほしいです。

 *

たしかに、路上アーティストが有名な楽曲のカバーを歌っているのを聴いて「上手いな」「あっ。私の好きな曲だ」と、足を止めることはあります。

しかし、そこから、目の前のアーティストのファンになるか?と言われると……なかなか、なりません。

だって、上手な歌や、好きな曲を聴きたかったら、YouTubeやSpotify等で音源を探した方が早いです。家や移動中の電車内で、快適な空間に座って、音質のいいイヤフォンで、ゆっくり聴けばいいだけです。

どこかへ向かう途中で、暑かったり寒かったりする道で、立ちっぱなしで、音響の悪い状態で、見知らぬ人の歌声に耳を傾ける必要はありません。

 

そもそも路上ライブを聞くのは、通りかかりの一般人です。「あんまり音楽に興味ない」「流行ったアニメや映画の主題歌ぐらいは分かる」「たまにSNSやSpotify等で音源を聴くことはあるけどライブなんて行ったことない・行きたいと思ったこともない」という人が、世の中にはたくさんいます。

そういう人が、たまたま通りかかった道で、ちょっと聞き覚えのある歌を歌っている程度の、見知らぬアーティストに興味を持つでしょうか?

もしかしたら、「上手だね」と拍手くらいはしてくれるかもしれませんが。

1時間、色んなカバー曲を歌って、100人の足を止めても、1人もファンになってくれなかったら、路上ライブをした意味がないと思いませんか。

 *

一方で、オリジナル曲を歌っても、足を止めてくれる人は少ないかもしれません。でも、もし立ち止まってもらえたら、リターンは大きいです。

足を止めてくれた人は、たまたま、路上ライブを見ることが趣味なのかもしれない。アーティストの容姿が好みだったのかもしれない。ただ、もしも楽曲や声や歌い方に声を持ってくれたなら、ファンになってくれる可能性は高いでしょう。

何より、「自分のオリジナル曲を歌ったら立ち止まってくれる人がいた」という事実は、とても嬉しいものです。大きな自信を得られます。

1時間、オリジナル曲を歌って、足を止めてくれたのが10人でも、そのうち1人がファンになってくれて、自信がつけば、路上ライブをした意味があったと言えるのではないでしょうか。

 *

SNSに投稿したカバー動画がバズったり、そこからファンが増えたりするのは、それらを見る人が音楽好きであることが確定的だからでしょう。

一般人は、たまたまタイムラインに流れてきた、見知らぬインディーズアーティストのカバー動画を再生しません。それを再生して、一定時間聴いてくれた時点で、その視聴者が音楽好きなのは確定しています。

だから、アーティストが工夫して制作したカバー動画の良さを感じ取って繰り返し聞いてくれたり、拡散してくれたり、他の動画も見てくれたり、オリジナル曲も聴いてくれるようになったりするのでしょう。

でも路上ライブは、客層が違います。


路上をきっかけにデビューしたアーティストといえば、ゆずなどが思い浮かびます。

彼らは、路上でオリジナル曲を歌って、何千人も集めていました。

それでこそ、本物のミュージシャンでしょう。

オリジナル曲ばかり歌うのは不安かもしれない、特に活動を始めたばかりのころは難しいかもしれないけれど、せめて、オリジナル曲とカバー曲を交互に歌ってほしいです。

2.自己紹介してほしい

路上ライブを見ていると、ずーっと演奏しておられる人がいます。たまに手を止めても、楽曲の話や世間話ばかりの人も多いです。

お願いです。あなたが誰かを教えてください。

「名前」「普段の活動内容と場所」「SNSをやっているか否か」。最低限、この3つは、こまめに教えてください。


前章でも書きましたが、アーティストの皆さんは、自分の活動を広めるために路上ライブをされていると思います。

それなら、しっかりアピールしないと、もったいないです。

近くで聴いてくれている人がいなくても、新しく足を止めてくれた人がいなくても、1曲歌い終えるごとに自己紹介して、チラシを配って、「応援してください」とアピールしてほしいです。

そうすると、「なんか頑張ってるなぁ」って感じが出ます。足を止めて聴いている人が、さらに興味を持ってSNS等を見てくれるかもしれないし、ちょっと遠巻きにしていた人が近づいてくるかもしれません。


自分でアピールするのが苦手な人は、スタッフを付けてください。

演奏中に近くの人へチラシを配り、宣伝してくれるスタッフがいれば、自分は演奏だけに集中できます。

知り合いのアーティストと合同路上するのもオススメです。ギター弾き語り同士など機材を共有できる人と一緒に場所をとり、3曲ごとに交代で歌って、自分が歌っていない間は相手のスタッフとして宣伝してあげるとか。

とにかく、あなたが誰かを教えてください。

3.違法な場所でやらないでほしい

現代日本では、合法的に路上ができる場所は少ないです。もどかしい気持ちは分かります。歌くらい、いつでもどこでも歌っていいじゃないか、と思うことは、私にもあります。

しかし、法治国家の一員として、無茶はしないでほしいです。

特に女性は、暴行を受けたり、ストーカーされたり、犯罪に巻き込まれる危険性が高いです。何かが起きたとき「禁止されている場所で路上ライブなんかしていたお前が悪い」と言われてしまったら、辛いです。


ファンとしても、「違法な路上ライブをがんばってます!」と言われても、素直に応援しづらいです。幇助犯…とまではいかなくとも、悪いことをしている人を支援する自分が好きになれない、というのは自然な感情です。

また、一般論になりますが、誰もが音楽を好きなわけではありません。音楽を聴くことで不愉快になったり、体に不調をきたしたりする方がいます。誰かの商売の邪魔になるということもあります。

自分も周りも守るために、最低限のルールは守ってほしいです。

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以上、独断と偏見に満ちた個人的な感想でした。

皆さま、素敵な路上ライフを!

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