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新学期でメタバースを開発する・前編

お久しぶりです!GREE VR Studio Laboratory(以下、ラボ)にてテクニカルアーティスト修行中の中野です(明治大学・新4年/絶賛就活中)。ラボの新作UXDev動画作品『”Back to Metaver-School” - a blooming future of Metaverse in REALITY』(邦題:メタバースクールの新学期~REALITYの未来に咲く花)を公開しましたので製作の裏側を紹介します。

<この記事の最後に特別編動画を公開しております!最後まで読んでね>

邦題「メタバースクールの新学期~REALITYの未来に咲く花」

ラボでは動画製作を通してメタバース時代の「未来のUX」を探求しています。ストーリーに沿って単にキャラクターを動かして映える映像を作るだけでなく、メタバースを意識した画作りをすることで「このときにはこういう技術が必要だよね」というように沢山のアイデアが浮かんできます。
記事の前編では製作の過程を振り返りながら、公開した動画では触れていないメタバースならではの裏設定を紹介していきます。記事の最後に特別映像へのリンクも含めて紹介しますのでぜひお楽しみください!

全編を通して登場するREALITYアバターのなかでも特に異彩を放つ Yahagi先輩。
今回はBGMにあわせて表現するギタープレイが見どころの一つ。

製作工程

テーマ設定

ラボの白井ディレクターに、新学期をテーマにした理由を聞いてみました。

GREE VR Studio Laboratory, Director 白井暁彦・博士(工学)。最近は白衣着ていないと思います。

【白井Dによるテーマ設定とコンセプト】
新学期をテーマに選んだ理由は、ちょっとした思いがあります。まず、普段からREALITYアプリを触ってくれている人にしっかりと地続きでフックできるような未来開発動画にしたかったという点です。REALITYにはリア学という公式企画もあり、ユーザーさんから多くの支持を得ています。さらに海外でも日本の学園アニメは人気があります。REALITYには制服のアセットも豊富にあります。そうした背景から、学校を舞台に物語を作っていこうと思いました。また、コロナウイルスの影響で以前のような学校生活を送れていない、特に「先輩/後輩にちゃんと会ったことがない」という生徒さんに目を向けています。この時期に合わせて、先輩後輩の関係性や、初めて会う人に挨拶するときの緊張とか、「友達の作り方ってどんなだっけ?」という高校1年生ぐらいの人たちの「春ならではの新生活へのワクワクや可能性」をメタバースで表現するというコンセプトで初期開発(プリプロ)を行いました。
普通のアニメや動画は主人公に沿ってストーリーラインが進みます。しかしここはメタバースです。メタバースでは誰もが主人公なので、さまざまな主人公が登場します。ピアノやドラムの経験がある新入生、サッカー部の先輩、中にはカメラを持った「メディア研究会」なんて部活もあります。このあたりは高校時代に写真部、新聞部、軽音部、生物部、無線部…などなど「文化部救済部」みたいな環境で、多様な人々に囲まれて高校生活を送った白井自身の経験やラボのインターンの青春の1ページが織り込まれています。

なるほどー!さすがREALITY100時間配信達成してフィギアを贈呈される社員さんですね…。

絵コンテ作成

今回も絵コンテは中野が担当しました。画像の左側が僕が書いた絵コンテ、右が最終版の画です。特に、同級生たちが教室で雑談をしているシーンは、コンテの段階から女の子はL字っぽくなるように、一方で男の子は円形に配置することで学生らしい自然な表現にすることができました。

絵コンテと最終版の比較。男子と女子の配置にこだわり。
絵コンテは前回よりは少しマシになった…⁉
と思っていましたが音楽室のシーンはめちゃ沢山のボツが出ましたごめんなさい
PostProcessingをかける前後の比較でグッと良くなりました。
自動で歩かせているのですが、意外に面白い演技をしたりするのも発見でした。

キャスト・衣装検討

メタバースの世界なので「主人公はいない」のですが、ストーリーラインはちょっとビビりな新入生Mikuを中心にめぐっていきます。

前回「メタバース・クリスマス」に引き続きピアノ演奏シーンに挑戦するMiku・新入生。
REALITYユーザの皆さんにはおなじみの拍手エモート👏が自然に活用されていますね
前回に引き続きセリフはないのに存在感があるBelle先輩・ベース担当
太鼓を叩くことを純粋に楽しんでいる元気な新入生・damivoちゃん。
うまく叩きすぎたり下手すぎたり…何回もリテイクになりました。
メインキャスト:さらに細かい設定があるのですが一部のみ抜粋…

damivoちゃんは実はラボで開発を行っている「転声こえうらない」の初代イメージキャラクターです。mikuは前作「Metaverse Christmas」に引き続きの主役格です。裏設定ですが、Yahagi先輩は実は留年しています。この学校は単位制なので4年生でも一生高校生を続けられるそうです。制服は校則で定められておらずパジャマで登校してくる生徒もいます。他にもこの「メタバースクール(メタバース + スクール)」にはかなりの裏設定があります。そのうち明かす機会があればと思いますが、多様性と学校らしい表現のバランスについては特に苦労しました。

たくさんのエーアイさんの人波を超えて舞台に向かうYahagi先輩。
エーアイさんの数は動的に変更することができます。

今回のプロジェクトは学校がテーマということもあり、主人公たち以外にも沢山のエキストラアバターさん(略称:エーアイさん)が必要でした。名前がついているアバターはラボのスタッフを中心に普段REALITYで使っているアバターを活用しているのですが、エーアイさんの生成はプラットフォーム部の ようてんさんらが開発に使用しているUnityエディタ拡張機能をベースにラボで独自ツールを使って生成しています(ありがとうございます!)。性別や身長のバランスが取れてないと悪目立ちしてしまうこともあるので自動生成とはいえ管理されています。

衣装案:プリプロ資料より
Unity内でアバターを並べた状態。身長設定も重要な要素でした。ぜひ拡大してみてください。

また、”学校感”を出すには制服は必要不可欠な要素です。複数あるREALITYの制服っぽいコスチュームから数パターンの衣装案を作って最終的には、緑のブレザーに茶色のボトムスになりました。ただ、メタバースでは自分の着たい服を着るべきなので、色違いの制服や体育館のシーンではエーアイさん達には多様な服やアクセサリを装着させています。
ちなみに、初期に統一された制服でエーアイさんたちをキッチリ揃えて並べてみたところ、なんだか違和感のある絵になりました…学校というよりは兵学校っぽい感じ…。

なおシーンのアセット、特に建築については一部リア学さん(V立 REALITY学園)から校舎をお借りしています(担当のアーティストさんありがとうございます!)。これはパラレルワールドなのかもしれませんね。教室や音楽室の黒板もひとつひとつ作り直し、ライティングやポストエフェクトは時間帯を意識して日光の方向や色なども設定しています。

音楽室の黒板などは白井Dがそれっぽく描いていただきました。
実はドラムとキーボード担当の先輩が2人いて卒業しちゃったのですね…。

REALITYのビジョン「なりたい自分で、生きていく。」の英語訳
"We can be whoever we want"もどこかに描かれています。探してみて!

踊っている女子や雑談している男子、浮いている文字は現在のスマホ版REALITYとの互換を意識して作られています。影の制御と右下の女子のレイアウトがめちゃ大変だった!

本来であればこの後に「ビデオコンテ」と「本撮影」という工程が入りますが、以前の記事でも紹介しているので割愛します。興味がある方はぜひ『インターンがやってみた! Unityによるアニメ制作』をご覧ください。

音楽

楽曲については、KMNZプロデューサーチーム(坂田P・さもP)のおかげで名曲「JOURNEY」を使わせていただきました。この曲はKMNZファンにとってもとても思い出深い曲なのではないでしょうか。
また、楽曲演奏シーンに関しては加茂フミヨシ先生ギター講師のギネス記録達成者, 研究者, 教育者)にご協力いただいております。大変優しく楽器指導をして頂いております。 

加茂さんは普段からこんなかんじの高校生さんたちも指導されているそうです。

ポストプロダクション

今回もポストプロダクションは外部の協力会社であるセツナクリエイションさんにお願いしました。Vコンの段階からカメラアングルやキャラクターの演技など沢山のアドバイスを頂き、前作の”Metaverse Chrismas”と比べてミュージックビデオのテクニックが入っており、楽曲とのマッチと、映像的な映えの部分がパワーアップして、MV風の作りになりました。ラボの面々が撮影した各シーンを編集で完ぺきにリズムを合わせてくるのは感動です。

助監督の役得で記念写真を取らせていただきました!
REALITYのユーザさんたちがこういうシーンで楽しんでいる未来が来たらなと思います!

以上が『”Back to Metaver-School” - a blooming future of Metaverse in REALITY』の大まかな製作工程です。

ここで特別編を公開

せっかくの4月1日新学期!かつエイプリルフールなので、特別バージョンを作ってみました。
「春アニメの予告!?」と思った方はありがとうございます。
その勢いでぜひVR Studio LabのYouTubeチャンネルを購読してください!
(https://j.mp/VRSYT)

後編につづく…

製作ブログ後編では、技術的な面で前回の製作から進化した部分や工夫点を紹介します。動画を何回も再生して購読してお友達にシェアして待っていてくださいね!

動画本編はコチラのYouTubeから
”Back to Metaver-School” - a blooming future of Metaverse in REALITY

UXDevプロジェクトのWebサイトはこちら

ところで…

グリーグループの新卒採用窓口はこちら
「新卒採用(2023年卒)もそろそろ終了です」とのこと…
自分もエントリーシート書かなきゃ!!(割とガチで)

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