【大幅改訂】秋雨でロマンチックに煙る「ちゅうおん2020」@秩父
「リアル頑張ってる途中neo」のMCを務めるエビ中こと私立恵比寿中学さんは、20年9/19・9/20の2日間、秩父ミューズパーク 野外ステージ(埼玉県秩父市)で、野外コンサート「エビ中 秋麗と轡虫(くつわむし)と音楽のこだま 題して『ちゅうおん』2020」(1日2回公演 計2日)を開催しました。
秋雨でロマンチックに煙る初日1回目の公演にお邪魔して来ました。
1.そもそも「ちゅうおん」とは
エビ中さんのファンの方はご存知だとは思いますが、ここでおさらいをかねて「ちゅうおん」について簡単にご説明いたします。「ちゅうおん」とは、エビ中さんがいつもの鮮やかなダンスパフォーマンスを封じて、ホーンやストリングス、パーカッションを含む生バンドの演奏に乗せて、じっくりと聴かせる楽曲を中心に披露している秋の野外コンサートのことで、今年で3回目を迎えます。また「ちゅうおん」の特徴の1つとしては、発売されたばかりのフルアルバムをひっさげ、全国を回る通常のホールツアーとは異なり、他アーティストの楽曲をカバーするコーナーもあるという特別構成となっておりました。
2.「ちゅうおん2020」はどのような形式になったか
しかし、今回の「ちゅうおん2020」は、ニューノーマルとなった今年、そもそもこの“通常のホールツアー”自体がなくなり、オンラインライブを除くと、7ヶ月ぶりのライブということも考慮されたのか、構成が変化して、生バンド用にアレンジしたエビ中さんの人気曲が中心としたセトリとなっており、ふたを開けてみると、“贅沢仕様”の貴重なライブになっていました。(当ライブのセットリストは最後尾をご参照ください。)オープニングは、ボサノバ風にアレンジしたTHE BOOM「風になりたい」からスタート。余談ですが、元々3年前に「ちゅうおん」という特別なライブを、エビ中さんのチーフマネージャー藤井さんが企画した最初のコンセプトは、『リゾート地で開催するライブ』であり、まさにボサノバであるMONDO GROSSOの「LIFE feat.bird」がイメージ曲であったとご本人から直接聴いたことがあります。第1回目の「ちゅうおん2017」のオープニングを飾った楽曲でもあります。
また、過去2回の「ちゅうおん」ではメンバーさんはステージ上に設置されたハイスツールに座ってしっとりと歌うシーンが多かったのですが、
今回はエビ中さんのヒットナンバーが多いこともあり、メンバーさんが楽しそうに歌う際には動きもあり、それもまた見応えがありました。
3.「ちゅうおん2020」ソロカバーコーナーに着目
この記事では、私立恵比寿中学さんをまだ聴いていない方へのレポートとして、「ちゅうおん2020」の中でもメンバーそれぞれがソロでカバーを歌ったコーナーにフォーカスいたします。
メンバーそれぞれがソロでカバーを歌うコーナーでは、
まず真山りかさんが、Official髭男dism「ノーダウト」をカバー。
この曲のオリジナルは、言うまでもなく男性のものですが、かなりのハイトーンが出ており、Aメロ後半などではファルセット(裏声)を使った高音も効果的に使っていることから、原曲に忠実に歌うには難易度が高いと言われていますが、真山さんはステージを縦横に軽快に歩きながら、なんなく歌いこなしていました。続いて、星名美怜さんはSuperflyの人気曲「タマシイレボリューション」。
この曲は、平均音程の高さは非常に高い楽曲であり、歌詞も早いため、
総合的な歌唱難易度は難しい楽曲と言えますが、こちらも星名さんはまるでエネルギーを爆発させるように原曲に忠実に熱唱していました。
また、柏木ひなたさんはiriの「Wonderland」を歌いました。
TikTokでも人気なこの曲は、少し抑えた奥深くスモーキーな歌声とともに、複雑とも言えるミックスされたリズム&メロディの曲で、声量豊かな柏木さんがセレクトした分、表現力が増しており、印象に残りました。
安本彩花さんはきのこ帝国「金木犀の夜」。
原曲のどこか懐かしくて甘酸っぱい雰囲気を、どこかハスキーで時に中性的な安本さんならではの声質で、表現力豊かに歌い上げました。
小林歌穂さんは中島みゆき「糸」を、一言一句歌詞を大切にして、表現力豊かに愛おしく歌いました。
ソロコーナーの最後を飾ったのは中山莉子さん、奥田民生「愛のために」を、オリジナルより、やや“ロック”な力強さを加えて、歌い上げていました。
4.まとめ
そして何よりも感動したのは、7ヶ月もの間リアルなライブを休んでいたにもかかわらず、かねてから歌の巧さには定評のあったエビ中各メンバーさんの歌声にさらに“艶(ツヤ)”が乗っており、それが各メンバーのソロでのカバーコーナーやグループのヒットナンバーを歌う際にも発揮されていた点です。
しかもその歌声が、ホーンやストリングス、パーカッション、そしてコーラスで構成された生バンドとのセッションと見事にシンクロしていて、エビ中さんの表現の幅にさらに深みが出ており、ライブ中ずっと鳥肌が立っていました😂
また特筆すべきは、1日2回公演で入れ替えにも時間の無い中で、客席を一脚ずつスタッフが消毒作業を行うなど、感染対策に万全を期しているのも制作サイドの真摯な姿勢にも心打たれた次第です。
さらに2部(夜の部)ではエビ中さんのチーフマネージャーである藤井さんが会場を回り、雨対策をしていない来場者の方々に雨具を配るように指示するなど十分なケアをされていたようです。
(副田小路様 情報ご提供ありがとうございます!)
そんな「ちゅうおん2020」ですが、11月25日に2枚組のライブアルバムとしてリリースされるという朗報が届いています。
TVで観た方や実際に会場に足を運んだ方だけではなく、ご興味のある方はお聴きになってみてはいかがでしょうか💡
今回の「ちゅうおん2020」でメンバーが着用していたレース素材を豪華に使用したエンジ色のワンピースはスタイリスト&コスチュームデザイナーのタクティ~さんですが、その衣装がふんだんにみられる「音楽ナタリー」の特集記事も最後に貼っておきます。
またエビ中さんチーフマネージャー藤井さんのTwitterでのライブ後の呟きも印象的なので、最後に貼っておきます。(©藤井ユーイチ氏)
さて、「ちゅうおん2020」の余韻はまだまだ残っている方も多いと思います。当記事ではソロパートにフォーカスしましたが、『エビ中バンドのココが良かった』とか『エンディングの「23回目のサマーナイト」が良かった!』とか『「感情電車」が最高だった!!』などなど、ぜひTVで観た方や実際に会場に足を運んだ皆さんのお気持ちをこの記事のコメントに投稿いただければ嬉しいです😊
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?