十数年ぶりに観覧車に乗った
ある日の21時頃、急に観覧車に乗りたくなりました。たまたま近くにいたもんですから。横浜です。22時まで営業していることを確認。
てくてく歩いていきますと、空中にロープウエイらしきものが運行してることに気づく。調べました。
こんな物ができているとは知らなかった。そして、このロープウエイと観覧車のお得なセット券が売ってることを知り、プランを立てました。
① 運河パーク駅でセット券を買う
② 観覧車に乗る
③ 運河パーク駅でロープウエイに乗る
④ 桜木町駅着
完璧なプランだ。
歩いている途中に巨大なビルを発見。知らないビルだ。市役所か県庁か宗教法人か。どれかだろうと思ったら。
ちょっとびっくりする大きさだ。
そうこうしているうちに運河駅到着。セット券は有人窓口で対応とのこと。1枚ください。(恥ずかしい)
「観覧車の最終受付は本日21時15分となっておりますがよろしいですか?」
想像より全然早くて泡吹いた。今何時ですか?
「21時10分です。」上等だってばよ。
券を手に外へ出ると、大きな観覧車が目前にそびえ立つ。あれをめがけていけばいいわけだ。観覧車の中央にあるデジタル時計は既に12分を表示していた。まぁ、それなりに走れるからね。
走って近づいたものの、どこに行けばいいのか、詰めの部分がわからない。受付がまず地上にないのだ。階段もたくさんあって、途中階にはゲームセンター的なゾーンがあり、そこで進行方向がわからなくなる。案内表示もない。とにかく勘で階段を登ると、係員がチェーンで道を塞ごうとしているのが見えた。間一髪セーフだ。
そこはチケット売り場のようで10人ほど人がいた。その人達を抜かして更に上階へ足を運ぶ。
驚きの光景だ。「45分待ち」という掲示物と、ずらーっと並んだ人々。十数年前に乗ったときは、ノータイムで乗れたのだ。その記憶があって来たのだが…
よーく思い出してみたら、十数年前は「めちゃめちゃ空いてる!ラッキー!」って言ってた気がする。記憶が曖昧でなにが真実か捏造かわからない。その時はラッキーだと思っていたのが、いつの間にか「営業終了間近は空いている」に記憶が書き換わったのかな。怖いのは「ラッキーだと思っていた」という記憶が、「今」作られた、できたてほやほやの嘘記憶かもしれないこと。
45分待ちだから21時15分に受付終了なのかな?混雑状況に応じて日々変化するのだろうか。これには感心した。
ここから45分。自意識との闘いが始まる。スッと乗れると思っていたから想定外の事態だ。恥ずかしさは窓口で大人1枚を買ったときの比ではない。
2つ前のカップルの男。小太り、日焼け、脱色、複数のネックレス、後頭部にサングラス、この世で一番苦手な人物像でげんなり。3つ前は中国人男性二人組、カップルだろうか?2つ後ろでは大学生が男女7人夏物語している。その他は親子連れが若干名いるけれども、9割がカップルだ。
一番うしろに並べばよかった。キモイと思われてるだろうな。早く乗せてくれ。この祈りの時間、精神と時の部屋に身を置くことで、私は、一つの大事な記憶を蘇らせたのです。
7月7日。私達夫婦の結婚記念日です。妻の希望でこの日に入籍しました。
(中略)
それが私の見た妻の最後の笑顔でした。その日の夕方、買い物にでかけた妻は…
(中略)
結婚記念日にあわせて、毎年この時期に、思い出の観覧車に乗ることにしています。
今年も夏を迎えました。あれから5年。俺、1月にさ、昇進したんだぜ…もうそういう齢になっちまったんだよなぁ。
次の方ー
あ、あはい一人です。
どうぞー
さ、観覧車に乗車しました!いったん記憶と気持ちをリセット!
なんてきれいな… 美しい夜景でしょうか…
高いところで、独り美しい景色を見たら…
やることは一つ
おもむろに立ち上がり、エア指揮棒をひとしきり振りました。
自慰行為です。エア指揮棒をシャカシャカ振るのも、腰回りの不如意棒をシコシコ振るのも、どちらも厨二病お得意の自慰行為です。
貴方への鎮魂曲です。どなたへの?
妻??思い出の観覧車?なんのことですか?
「空から降る2億匹のおたまじゃくし」貴方たちへの鎮魂曲です
by木村拓哉&明石家さんま
スプラッシュしました。
1周し終えると21時55分。また走ってロープウエイへ向かいます。こちらも22時で営業終了です。完璧なプランのはずが‥
ゲームセンターゾーンで、やはり少々手間取る。ふと見ると、2つ前の組、小太り、日焼け、脱色、複数のネックレス、後頭部にサングラス男がいた。こいつ(ら)も帰り道がわからないんだろう。明らかに閉まっているドアをガチャガチャしている。だからこういう人種は嫌いなんだよな。黙って俺について来い。
たどり着いてロープウエイに乗車。冷房が効いていて気持ちいい!景色もいい。乗車中に初めてタイムラプスを撮ってみたが、失敗に終わった。
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