マガジンのカバー画像

『オフィス』というツールを考える。

12
運営しているクリエイター

#フリーアドレス

▶︎Vol.9 「ワークプレイス」から『LaaS』へ

前回、SaaSの有用性について記述しましたが、SaaSが急速に普及している背景を考えると「SaaSという『言葉のトレンド力』の影響も大きのではないか?」と感じます。 「〜aaS」という言葉はSaaS以外にも、、 ・MaaS:Mobility as a Service ・PaaS:Platform as a Service       などなど、無理矢理感のあるものも含め多数存在しています。 これは、「〜 as a Service」という表現が一種のトレンドワードになってい

▶︎Vol.8 『SaaS』という新しいインフラ

「SaaS(サース:Software as a Service)」は、旧来パッケージとして提供されてきたソフトウェアをインターネット(クラウド)経由で提供・利用するビジネスモデルです。 最近のSaaSの広がりは、ご存知の方も多いのではないでしょうか? グループウェアのサイボウズさん 顧客管理や営業支援などのSalesforceさん 名刺管理のsansanさん 会計ソフトのFreeeさんや、「楽々精算」などを提供するラクスさん また、オンライン会議で爆発的に普及したZoom

▶︎Vol.7 「職住近接」 と "Work as Life" 【後編】

※前回の続きになります。前編はコチラから。 前回、職住近接をワークプレイス設計に盛り込むことで、ワーカーの働き方の選択肢が広がり、ワークエンゲージメントの向上や離職率低下による人材確保が可能である事、マネジメント上のリスクやコストについても戦略的に検討していく余地が非常に大きいことに触れました。 後編では、更に別の角度からもその可能性に触れていきたいと思います。 私は、職住近接が活発に活用されていくことの効用に『地方創生』もあるように感じています。 というのも、ワーカ

▶︎Vol.6 「職住近接」 と "Work as Life" 【前編】

職住近接という言葉は、文字通り「職場と住居が近い」という意味です。 国土交通省が推奨しており、長時間通勤から開放されることによってゆとりある生活を実現することを指しています。 「首都圏ワーカー一極集中」によって、首都圏3県(神奈川県、千葉県、埼玉県)の平均通勤時間は片道50分を越え、住宅メーカーと鉄道会社による都市計画によって更に遠方から通勤するワーカーも増えています。 「首都圏に移住し、低金利の住宅ローンでマンションを購入して毎日往復2時間近くかけて通勤する」 こうし

▶︎番外編:強制出社は回復か?リバウンドか?

今回は番外編です。 本来は、Vol.6として「職住近接」についての記事をアップする予定だったのですが、ちょっと無視できないトレンドワードが出てきたので急遽記事を書きます。 10月に入り、緊急事態宣言が解除されると同時にリモートワークを終了し出社に切り替える企業が続出しました。 SNSでは「強制出社」というワードがトレンド入りし、通勤電車(というワーカー最大のストレス)からの悲鳴が話題になります。 でもまあ、、 「そりゃそうだよね。。」というのが正直な感想です。 テレワー

▶︎Vol.5 在宅勤務の生産性というナゾ

前回の記事で「Saas活用」と「職住近接」がキーワードであると書きましたが、これらを考える上でも非常に重要な『在宅勤務』について改めて見直します。 昨年の緊急事態宣言によって半強制的な在宅勤務が始まり、多くのワーカーが自宅での勤務を経験することになるのですが、この時期において最大のトピックは『在宅勤務の生産性』でした。 色々なアンケートデータが発表されましたが、パソナ総合研究所さんが昨年12月にリリースしたデータは非常によくまとまっており、大変参考になりました🙇🏽‍♂️

▶︎Vol.4 オフィスが得意なコト・苦手なコト

オフィス以外のワークプレイスが数多く登場することによって、「オフィスにあって当たり前」だった多くのモノやコトが「オフィスにある必要があるのか?」「オフィス以外にあった方が良いのではないか?」と見直されることになりました。 同時に、『ハンコ問題』に代表されるような「慣例的に行われてきた業務フロー」に対する議論や制度改革も進んでいます。 改めて、、 「オフィスの機能や得意なコトって何だろう?」と思い、オフィス以外のワークプレイスやワークスタイルの変化と合わせて考えたいと思いま

▶︎Vol.3 ABWとはモノなのか? コトなのか?

フリーアドレスの話も、時系列でようやく「今」に追い付いて来ました。 ABW(Activity Based Working)。 昨今のオフィストレンドど真ん中のワード。 結論から言いますと、本当に素晴らしいソリューションです。 これこそが「真のフリーアドレス」とさえ感じます。 オランダのVELDHOEN社が提唱するABWですが、ワーカーがオフィス内で行う業務を「10の活動」に分類し「それぞれに最適な空間を設計する」というソリューション。 詳細は、国内でVELDHOEN社

▶︎Vol.2 フリーアドレスは、ただの自由席?

前回の投稿で、ツールとマネジメントの相関性について記述しましたが「フリーアドレス」もマネジメントの影響を大きく受ける制度のひとつです。 『固定席がないオフィスレイアウト設計 = フリーアドレス』 かれこれ30年くらいの歴史があるフリーアドレスですが、どちらかと言えばソリューションよりもハードウェア先行で導入が進んできた印象です。 つまり、フリーアドレスの効用は数多く訴求されて来たとしても、実際にその効用を活かした運用を実現できているオフィスは少なく、過去には「フリーアドレ

▶︎Vol.1 オフィスはツールではなく「ハコ」だった。

昨年、在宅ワークの導入が進む中で数多く実施されたアンケートに「在宅ワークで生産性は上がったか?」という問いがありました。 通勤からの解放や集中しやすい環境に「在宅の方が断然いい!」と喜ぶワーカーと、存在感を示す居場所を失いモチベーションを下げたワーカーの明暗が話題になった事は記憶に新しく、改めて「組織内コミュニケーション」や「ワークエンゲージメントサーベイ」の重要性が活発に議論されました。 この現象は、パンデミックによって発令された緊急事態宣言が無かったとしても近い将来に必