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【後藤達也氏】『「利上げ」とは? そもそも経済解説#2 (2022/5/29)』を見てみた(その5)

いまの金融政策の難しさ

利上げしてインフレを収めればいいじゃないの?

  • 今、ものすごく難しい状態になってる

  • 3つのシナリオが考えられる

1つ目のシナリオ

  • 利上げの結果、インフレが沈静化する

  • 景気は少し減速する

【解説】
・利上げするということは、需要を抑えること
・ある程度の景気減速は避けられない
・景気の減速がかなりマイルドにいったら、金融政策として成功

2つ目のシナリオ

  • 利上げの結果、インフレは沈静化する

  • ところが、結構深刻な景気後退に陥ってしまった

【解説】
・インフレは抑えられた方がいいが、不景気になってはいけない
・物価目標は経済が安定的に成長していくこと
・インフレさえ2%で達成できればいいわけではない
・インフレの抑制と景気後退のバランスが難しい

3つ目のシナリオ

  • 利上げしてもインフレがなかなか収まらない

  • しかも利上げによって景気が後退してしまった

【解説】
・最悪の状態でスタグフレーションというもの
・インフレを抑えたければ、利上げをする必要があるが、不景気になったので利上げできない状態

利上げの難しいポイント

  • 1つ目のシナリオがベスト
    そうなれば株価も上がり、世の中はハッピーな状況になる

  • 2つ目のシナリオのような状況になるかもしれない
    どれぐらいのペースで利上げすればいいのか?

  • 3つ目のシナリオも指摘され始めている
    スタグフレーションにならないために運営できるのか?

さらに別の難しいポイント

  • 供給要因:原油高、穀物高、物流混乱、構造的な人手不足

  • 供給要因の今のインフレの大きな要因になってる

原油高、穀物高
・ロシア情勢も鑑みて、原油価格とか小麦とかものが値上がりしている
・1次産品が値上がりすると、インフレ圧力がかかる

サプライチェーンの混乱
・物が欲しくても、なかなか調達出来ないので、値段が上がってしまう

アメリカでは結構構造的な人手不足
・コロナの影響もあり、なかなか職に戻れない人もいる
・供給の要因によって物価が上がり、人手は欲しいがとれない

供給要因に金融政策の効果が薄い

  • 供給要因はFRBが利上げしたからといって、効果が薄い

  • サプライチェーンの問題が解決するわけじゃない

  • ロシア情勢に影響が及ぶわけではない

  • 原油高に影響が及ぶわけではない

今のアメリカのインフレのポイント

  • 需要が強い + 供給要因がある

  • 両方の要因があるので、利上げすると需要を抑えるという効果はある

  • インフレを抑制できる可能性はあるが、一方で供給要因も根深い

  • 金融政策では供給要因に影響を及ぼしにくいので、インフレがなかなか治らない恐れもある