佐野元春&ザ・コヨーテ・バンド全国ツアー2018「MANIJU(マニジュ)」札幌市教育文化会館

2018年3月17日。
佐野元春のライブに行って来ました。
35周年アニバーサリーライブ以来、2年ぶりでした。
17時近くに会場に到着しました。
チケットを切られ入場してすぐのところにユニバーサルミュージックから佐野さん宛に花束が届いていました。

グッズ関連ショップがあったので、さっそくツアーパンフレットを購入。

表紙を見ましたがカッコいいオジサマですね。
中身は家に帰ってからじっくりと読むとしよう。

18時になりついに開演しました。
オープニングは「境界線」でした。
アップテンポなナンバーでお客さんはノリノリになっていました。
佐野さん髪が短くなり体型がスリムになってシャープな感じになりましたね。

2曲目は「君が気高い孤独なら」でした。
2007年のアルバム「COYOTE」からの曲だったので懐かしかったです。
「Sweet Soul Blue Beat」のくだりが好きで思わず口ずさんでしまいました。

3曲目の「ポーラスタア」は2013年のアルバム「ZOOEY」からのナンバーです。
冬の元春ソングで今の時期にふさわしかったせいか歓声がとても大きかったですね。
「ほら、見上げてごらん 冬の星空 あれはポーラスタア 二人の行方 見守るように 瞬きを繰り返している」
何て詩的でロマンチックな歌詞なんでしょう。

2015年のアルバム「BLOOD MOON」から「私の太陽」、「紅い月」、「いつかの君」、「空港待合室」が立て続けに披露されました。
燃え盛るほどの赤いスポットライト、喉が張り裂けんばかりの勢いのシャウト、所狭しとステージを駆け回るパフォーマンスに見ているこっちまで熱くなりました。

あてのない未来を唄ったロックチューン「優しい闇」で前半戦は締めくくられました。

MCで「昨年アルバム「MANIJU」がリリースされ、ファンの前で披露するのが楽しみだ。今回は新しい曲をたっぷり披露するよ。」と語っていました。
肝心の新曲は休憩を挟んで後半戦で↓↓↓↓↓↓↓

後半戦は2017年のアルバム「MANIJU」メドレーからスタートしました。
「白夜飛行」はアルバムのオープニング曲で、ポジティブなメッセージソングです。
僕だけかもしれませんが、この曲聴くと飛行機に乗ってゆらゆらと旅をしたくなる気分になります。

「天空バイク」はちょっぴり甘いロマンチックなナンバーです。
彼女を乗せたバイクは風を切って光に沿いながら天空へと駆け上がって行きます。
男の人は一度はこんな夢を見たことがあるのではないでしょうか。

「悟りの涙」は美しいメロディでありながら内容はシリアスです。
ずっと耐えて何度引き裂かれても立ち上がってきた「君」、ブルドーザーとシャベルを持って怒りの涙を踏みにじる「あの人」の二面構造が軸になっています。
遠くで見守って祈るけど、手を伸ばしても届かない。
胸が痛くてとてもやりきれないけど、今はただ寄り添うことしかできない。
佐野さんの歌声が凄く切なくて涙が溢れそうになりました。

「新しい雨」は世代をテーマにした曲です。
MCでは「ライブには古くからのファンはもちろん若い新しいファンも来ている。幅広い世代に向けて曲を書いてみた。」と説明。
ちょっと辺りを見渡しましたが、40代50代はもちろん僕と同世代の30代の方もいて20代の方もちらほらといました。
そして中には子供連れの方もいました。
佐野さんの音楽はあらゆる世代を超えて伝わる力があるんだと感じました。

アルバム「ZOOEY」から「世界は慈悲を待っている」と「La Vita è Bella」の2曲を披露。
「世界は慈悲を待っている」は厳しい現代をサバイバルする人々に向けられた曲で、「欲望にまみれたこの世界に君の心の窓を開け放て!」と力強いメッセージを訴えています。
「La Vita è Bella」は3.11後に書かれた初めての曲で、直訳すると「人生は美しい。」という意味が込められています。
佐野さんの思想が強く現われている曲なので今でも繰り返し聴いています。

再びアルバム「MANIJU」からの曲に戻り「純恋(すみれ)」です。
MCで「この曲は10代のボーイズ&ガールズに向けた曲です。
あ、古いファンは聴かなくて良いというわけではないよ(笑)
人間誰しも持っている心情を歌にしてみました。」と釈明。
佐野さんって時々天然な発言が飛び出すので好きです( ´∀` )
少年少女の恋を素敵に描く佐野さんの感性はピュアで一点の曇りもありません。
間奏時のポエトリーリーディングも見所の一つです。

禅ビートはアグレッシブなロックナンバーです。
「鳥のような翼はないけど飛び方は誰よりもわかってる」のフレーズが特に好きで、このフレーズに背中を押されたことは一度や二度ではありません。
佐野さんは甘くてロマンチックな歌詞も魅力ですが、こうした攻撃性を含んだ漢らしい歌詞にも心を惹かれます。
それにしてもギターを持つと一層カッコ良さが際立ちますね(^^)

やって参りましたアルバムタイトル曲「マニジュ」です。
歌の主人公はいつも孤独に震えていて心細く悲しみも抱えています。
そんな傷心の主人公に対して、こう言葉を掛けるのです。
「明日になったら 心のシャツを着替えて 確かな場所まで 手を取ってゆくよ」
「明日は今日よりも強く 振りむかなくてもいいんだよ 思いのまま抱きしめていいんだよ」
「君は僕のスタア もう心配ないよ」
何て優しくて力強い言葉なんだ。
これなら今後どんなことがあったって生きて行けます!!!

いやー。今回の曲はどの曲も凄過ぎますね。
コヨーテバンドで作り出した曲は完成度が高くて聴き応えがあります。
そういえば、ここまで80年代90年代の曲が1曲も披露されていません。
もしかして、コヨーテバンドオンリーで終わるのか・・・。
そう思っていた矢先、往年の名曲メドレーが始まりました。

「新しい航海(89年)」、「レインガール(93年)」、「約束の橋(92年)」、「ヤァ!ソウルボーイ(96年)」、「スウィート16(92年)」、「アンジェリーナ(80年)」が披露され、昔からのファンは大喜びでした。
20年以上前の曲であっても色褪せることなく現在でも十分に通用するパワーを持っている。
もしかして、これが佐野さんの言っていた「新・佐野元春」なのか???
こうして2時間半に及ぶライブは幕を閉じました。

最後にコヨーテバンドのメンバー紹介が行われ、過去のハートランドやホーボーキングバンドにも負けないバンドに成長したと語っており、彼らへのリスペクトがひしひしと感じられました。
結成13年で「COYOTE(07年)」、「ZOOEY(13年)」、「BLOOD MOON(15年)」、「MANIJU(17年)」と4枚のスタジオアルバムをリリースし、今が一番脂の乗っている時期なんじゃないかと思います。
佐野さんは今年62歳だというのに年齢を感じさせないほど若々しくてエネルギッシュです。
これからも新しい作品を次々と作り伝説を残してくれるでしょう。


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