スラムダンクの新作映画『THE FIRST SLAM DUNK』は宮城リョータの人間ドラマ。

今日、スラムダンクの映画『THE FIRST SLAM DUNK』を観ました。
原作が終わってから26年ぶりの新作ということで待った甲斐がありました。映画の感想を一言で言うとスラムダンクでありスラムダンクではない作品です。
今回の作品の主人公は電光石火のPG・宮城リョータです。

リョータは元々沖縄出身で、母、兄、妹の4人家族です。(父は故人)
兄ソータは3つ上で沖縄ミニバス界のスーパースターでした。
リョータにとってソータは憧れの存在で一緒に1on1をすることが大好きでした。
ソータは人間的にも良い奴で、リョータに「倒れてからが本当の勝負だぞ。」、「父ちゃんが亡くなって宮城家は俺達が大黒柱だ。俺がキャプテンで、お前が副キャプテンだ。」と言ったりするなど、兄弟は強い絆で結ばれていました。
ところが、ある日1on1をしている途中でソータは友達と釣りに行ってしまい、リョータは船に乗っているソータに対して「バカ兄、もう帰ってくるな。」と言い放ってしまい、それが皮肉にもソータへの最期の言葉となってしまったのです。
そこからリョータと宮城家の歯車は段々と狂い始めました。

リョータはソータとの比較に苦しみ周囲からも兄と比べて全然大したことはないと陰口を叩かれ悩み苦しみます。
母は兄の遺品を全て処分して引っ越そうとしたことでリョータと喧嘩になってしまい険悪な関係に陥ります。
嫌々神奈川に引っ越した中1のリョータは生意気でスカした態度を取る問題児となってクラスメートからは孤立し、不良達から呼び出されて殴られたこともありました。

高校に入学してからも生意気な態度は変わらず、1つ上の赤木からは自分一人でプレーするなと怒鳴られ、キャプテンからは目付きが気に入らないと嫌味を言われ、退部を考えるほどにモチベーションは下がっていました。
因縁を付けて来た三井のいる不良グループと屋上で喧嘩し、さらにバイク事故を起こし生死を彷徨うなど生活は完全に荒れ果てていました。

バスケ部を離れている間に数年ぶりに沖縄に戻ったリョータはソータとよく過ごした洞窟へと向かいます。
そこで思い出したのはソータが見せてくれた山王工業が表紙となった月刊バスケ雑誌で、「俺は沖縄県代表となって山王と戦い決勝シュートを決めて勝つ。」と宣言していたことでした。
インターハイで山王と戦うのは元々ソータの夢だったのです。
その瞬間、リョータの両目からは「俺は母ちゃんに迷惑ばかり掛けてばかりだった。」と大粒の涙が溢れ、喉が張り裂けんばかりの勢いで泣き叫んでいました。
そこからリョータは立ち直り、ドリブルや砂浜の走り込みで己を鍛え抜いてバスケ部に復帰します。
これまで何度もトラブルを起こしながらもバスケを辞めなかったのは亡きソータの存在がリョータの胸の中で生きていたからだと思います。

今回の作品は宮城リョータの新たな一面を知ることができ、これまでと違った視点で観れたのが本当に良かったです。
残りの4人の赤木、三井、流川、桜木のオリジナルストーリーはどのような展開になるのか今から楽しみにしています。


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