アメリカの友人/リハビリテーション

一人黙々と単純作業を繰り返していた。ふと、今自分がリハビリをしているような気分になった。リハビリ?リハビリって何のことだ?確か元の意味は再生だったと思う。あと欠損がある人が適応するための訓練、訓練?何が?アルバイトが訓練?そんなに適応したいのか?したい、しなければ生きていけないから。多分、俺はゆるいリハビリ人生の途中。

 アメリカの文学がどうも肌に合わない。アメリカ人の小説にはどうも湿気が感じられない、息づかいも逡巡も。そんな俺に年上の友人が教えてくれたのがコーマック・マッカーシーとポール・ボウルズだった。友人は俺の好みを知っているわけではなく、たまたまその二人を紹介してくれただけだったが、その二人は俺にとってアメリカの友人になった。

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