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【考察してみた】障害者雇用の賃金相場はなぜ低いのか、当事者の立場から考える

どうも、こんにちは!
半額です。

障害者のみなさん、
「障害者雇用の賃金が低すぎる」と
思ったことはないでしょうか。

私はあります。

しかし、それを嘆くだけでは
何も始まりません。

なぜ障害者雇用の賃金相場が低いのか、
その理由を、
当事者の立場から考察しました。

※注意※
あくまで個人の考察です。


筆者について

  • 発達障害当事者

  • 公的・民間問わず多数の制度や割引を活用している

  • 職業に関する制度や給付を全力で活用して生活している

  • 福祉制度を探ることが趣味と化している

障害者雇用の賃金相場

障害者雇用は、最低賃金が当たり前、
くらいの賃金相場です。

フルタイムであっても、
大卒の新人の初任給と比べて、
賞与などを考慮した年収を考えると、
ざっくり7割です。

昇給・昇格のことを考えると、
数年後には2倍になり、
10年とかを考えると、さらに差は広がります。

賃金相場は様々な要素が反映される、それは障害者雇用に限らない

賃金相場というのは、
単純な1つの理由だけで決まるものではありません。

一般の新卒初任給などを見ても、
業界や職種、世間的な経済状況、
幹部候補として見ているか、
会社ごとの個別の事情など、
様々な要素が反映されます。

「障害者」であることが関わる要素

そんな中で、
賃金相場に関わる要素から、
「障害者」であることが関わる要素を
いくつか考えてみました。

1.単純に障害によって職業能力が低いことがある

まず、すごく単純な要素です。

障害者は、その症状によって
何かしらの困難を抱えています。
これが仕事に支障をきたしてしまうことがあります。

わかりやすいのが身体障害者で、
腕が動かなければ、
腕を動かす仕事には支障が出ます。

私は発達障害を抱えていますが、
職業能力についていえば、
営業職や接客業などの
コミュニケーション能力が主となる仕事は
まずこなせないでしょう。
電話応対も難しいです。

当然ですが、仕事の成果が悪ければ
賃金は下がります。
これは一般にも当てはまります。

「障害に対する配慮をしてほしい」
は通用しても、
「障害者だから仕事の成果を甘く見てくれ」
は通用しません。

配慮を受けた上であっても、
同じ賃金相場を望むなら
同じ成果を出す必要があります。

2.日本社会は「個別の事情」を考慮することが嫌い

障害が職業能力に支障をきたすことは、
確かにあるでしょう。
それについては認めざるを得ません。

しかし、それにしても、
何もできないわけではありません。

接客ができないなら、
接客をしない仕事を選べばいいわけです。

ですが、日本の社会は
「型通りの人材」を好みます。
何でも平均的にできる人材が好きです。
得意不得意がある人材が嫌いです。

技術的能力は高いが、
報告書などの雑務が全然こなせない人材と、
様々な能力が普通である人材がいるとき、
好んで後者が選ばれます。

そのほうが、経営陣や管理職から見て
扱いやすいからです。

多数の科目がある試験で、
合計点の高さではなく、
特に出来が悪い科目がないかどうかで
評価されるようなものです。

障害者には、苦手であったり、
不可能な仕事があります。
これは、残念ながら
好まれる「型通り」ではないのです。

個人ごとの得意と不得意を把握し、
そのうえで適切な業務を考えることを
日本の社会は嫌います。

そうなると、仕事を割り当てづらい
障害者の需要が減り、
賃金相場は下がってしまいます。

3.「障害者」を型に押し込んだ結果、すべての能力が低い人物像ができる

前述の通り、日本の社会は
人材を型にはめたがります。

障害者雇用でそれをするとどうなるか。

世の中のいろんな障害者が抱える、
いろんな職業制限を、
幅広く抱えている人物像が
できあがります。

「障害で職業能力が低いんだから、
単純な仕事だけを割り当てたらいい」
くらいの型に押し込まれます。

障害者求人の特色として、
賃金が低い他に、職種が狭いことがあります。
障害者求人の職種が、
ほとんどが事務職か軽作業職なのはなぜだろうか。

これについて、
「障害者というのは皆職業能力が低いものだ」
「事務作業や清掃くらいしかできないだろう」
という型に押し込めた結果、と考えることができます。

障害者に限らず、一般の人でも、
事務職や軽作業職は賃金相場が低いです。

4.業務負荷に耐えられる健康を保証できない

精神的な症状がある人にとって、
業務上の精神負荷は、
避けては通れない問題になります。
進行性の身体障害の場合もそうでしょう。

自分自身も、これで何度か
参ってしまった経験があります。

なので、このことが現実問題として
綺麗事で済まないことも
わかっているつもりです。

常に過剰な負荷をかけたがる
ブラックな会社は別にしても、
繁忙期が集中して忙しい、
当日中に対処しなければならない
問題が発生するなど、
一時的な負荷が集中することはあります。
決して珍しいことではありません。

正直なところ、会社としては、
それで体調を崩し、
仕事ができなくなってしまうことは、
とても困るのです。

会社は、事業を「継続的」にこなすことで
利益を得る組織です。
継続して実績を積み重ねることで、
取引先から信頼を得て、
より大きな案件を受注したり、
新しい取引先を獲得できます。

継続的な事業のために、
安定して仕事をこなすことを
社員に強く求めたいのです。

技術職の人が仕事ができなくなり、
納期を守れなかったり、
欠陥が多数ある状態で納品してしまったりすると、
会社は信頼を失います。

会社にとって、信頼は命です。
取引先から信頼を失い、取引がなくなると、
経営が成り立たなくなるからです。

障害があると、この要求に応じられる程度が
下がってしまうことがあります。
体調を保証できず、
安定して仕事を続けられることを
約束することが難しくなります。

事業の中核となる人材ほど、
安定した仕事を求められるし、
賃金相場が高いです。

安定した仕事ができる約束が弱いと、
事業の中核から遠くなり、
賃金相場が下がります。

結果として、
障害者雇用の賃金相場が下がるのです。

5.有事への責任能力が低い

会社員というものは、
「責任」を押し付けられます。
仕事で失敗すると怒られますし、
人事考課に影響して評価が下がったりします。

会社としては、
賃金を払っている以上は、
相応の責任を持ってほしいのです。

逆に、「責任に対して賃金を払っている」
とすら言えます。

責任を負うことになる例としては、
すぐに対処しなければならない問題が発生したら、
多少の無理をしてでも解決してほしいです。
事後の報告書などの雑務も
たくさん発生します。
これに責任を持って対処することを求めます。

ですが、これは、
先ほど述べた健康状態の問題に
直結してしまうのです。
この要求に応えることが
難しいのです。

責任の重圧に耐えかねて
体調を崩してしまう可能性が、
健常者より大きいのです。

責任を負えないとなると、会社としても、
高い賃金を出すモチベーションが減ります。

結果として、
障害者雇用の賃金相場が下がるのです。

まとめ

  • 賃金相場はいろんな要素によって左右されるよ

賃金相場が低いからこそ、割引を活かしたい

経済的負担を少しでも軽減するために
利用したい、
「障害者割引」に関する記事を
書いていますので、
よろしければ読んでください!!

本題は500円の有料記事となっていますが、
それ以上の割引を得るための
ノウハウが詰まっていますので、
どうかよろしくおねがいします。

以上、最後まで読んでいただき、ありがとうございます。


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