もてない男の勘違い

最初に言っておこう。
もてない勘違い男は幸せ者である。何故なら頭の中お花畑だから。

接客業の私。お水ではない。物売る売り子。そこに客として来た、いかにも彼女いない歴=年齢の男。いつものように、営業なので普通に喋った。
男は「元カノがこれ好きで」と言っていたが、嘘なのはすぐ分かった。
恋人が出来たことがない男からは、そういう雰囲気が漂っている。拭いきれない小心さ。まとってるコンプレックスの呪縛で、動きもぎこちない。接客長いと、そんなのすぐ見抜ける。
しかし私は売り子。あー、見栄を張りたいのねー。その妄想ワールドに騙されてやるよ。なぜなら客だから。

さて次の来店。
私を見つけるやいなや「今度いつ遊びに行きましょうか!」と、鼻息荒い男に目が点の私。
は?なぜなぜなぜに?Whyなぜに?
勘違い男は止まらない。「結婚も早めに!」
……これ、なんのホラー?
私、ドン引いてるんすけど。

その日はぐったり疲れた。同僚は「あれ系にもモテるんすね」と他人事だし。チーフは、「こんなに買ってって良い客じゃん」って。こういうのがストーカー事件とかに発展するんじゃないのか!?みんな心配しないのかよ!

まぁ、職場の話は置いといて。
このように、もてない男は勘違いが激しい。おめでたい。相手の事なんか考えちゃいない。頭だか感性だか、とにかく何かが、すこぶる悪いのだろう。
山田玲司さんの著書に[もてない女は罪である]ってある。でもね、[もてない男は害である]んだよ!狂気!

例外は勿論あるんだろうが。もてなくても謙虚に生きてる男の人は、害でもなんでもない。出会いがなかっただけか、独りが気楽だから恋人作らないのね、と思う。
しかし、こないだの客には秒でこう返したかった。
「おしゃべりしたからって勘違いしてはいけない。こっちは仕事だ。」

あー、接客は好きなんだけど、たまに困るのに当たるとげんなりすんだよね。

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