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生成AIでアート作品を作った!

こんにちは。広報の河淵です。
2024年度前期の社会人講座「しののめプラス」では、「メディアアート入門」が開講されています。

メディアアートとはコンピューターや電子機器などの様々なテクノロジーを利用して世界観を表現した作品の総称です。「メディア」という名前にあるように、テクノロジーと人間との関係性が活かされた作品も多くあります。

今回はこの講座の体験レポートをお届けします!


◆講師の紹介

講師は松山東雲短期大学 現代ビジネス学科 教員の川北 輝 先生。

先生は大学で心理学や感性工学を学び、3年間で早期卒業をした後、心の専門家を養成する専門職大学院で臨床心理修士 (専門職) をおさめました。感性工学とは人の感性を製品設計 (デザイン) に組み込むもので、先生がご出身の広島から普及した学問です。より多くの人がメンタルヘルス支援を受けるためには先端テクノロジーの活用が不可欠だと考え、情報系の大学院に進学し、感性工学の研究を続けながら、公認心理師になられました。2年間の在学中に、アバターのデザインに関する修士論文と3本の国際会議論文を書き上げて、知識科学の修士号をおさめたそうです。

現在の研究テーマは
●カジュアルカウンセリングシステム (メタバース等を通じて、悩みを抱えたクライエントがアバターやエージェントに相談できるシステム) の研究
● テクノロジーを活用したメンタルヘルス支援

アバターを通じて心理カウンセリングを行うんですね!

また、教育や研究に加えて、メディアアーティストとしても活躍中です。今年度は、アーティストが地域にとどまり作品制作を行う、アーティスト・イン・レジデンス「三陸AIR」に選ばれ、東北を舞台にメディアアート作品をつくります。来年には岩手県での作品展示も予定しているそうです。アーティスト情報はこちらです。

そんな川北先生の講座!企画の段階から大注目でした。
ぜひ私も最新のデジタル技術を体験してみたいと思い、取材と称して、がっつり2回(第3回と第4回)フルで受講させてもらいました。

◆画像生成AIを使ったことありますか?

ところで、みなさん生成AIを使ったことはありますか?
普段、仕事やプライベートでSNS投稿をされている方は、何らかのデザインソフトを使われているかと思います。2023年夏頃だったか、私の使っているソフトにいつの間にか生成AI機能が追加されているのを発見。早速プロンプトを入れて遊んでみましたが、その頃は何とも精度が悪かったように記憶しています。単にプロンプト(AIへの指示文)が悪かったのかもしれませんが。
「何コレ」といったものが出来上がってきて、笑って終わりみたいな感じでした。「全然使えない」。そこで私の画像生成AIの印象は止まっていました。
果たして、今回はうまく生成できるのか・・・
作った画像をどうアートにしていくのか・・・楽しみ!

◆第3回「生成AIとデザインソフトフェアを用いた画像作品」~インタラクティブ物語~

それでは第3回の講座スタート。

年代幅広く11名の方が受講

今回は、画像生成AIとデザインソフトで作った画像を使ってインタラクティブ物語を作るというもの。
インタラクティブ物語とは、ユーザーの選択によって、物語が変化するコンテンツのことです。interactiveとは「相互の、双方向の」という意味です。

先生が例として見せてくださった作品は勇者の冒険物語

場面Ⅰ「あなたは勇者です。冒険の旅に出ます」
場面Ⅱ「道が二つに分かれています」
A:右に行く
B:左に行く
(私は右に行こう)Aをクリック → 場面が変わる

場面Ⅲ「地図が落ちています。拾いますか?」
A:拾う
B:拾わない
(拾う)Aをクリック → 場面が変わる
場面Ⅳ「旅は続く」
といった感じでストーリーが展開していきます。

ファイル形式はPDF 。プログラミングは不要だと先生は言います。
「どうやって作ってるの、、、私には絶対無理」が率直な感想でした。

手順は
①ストーリーを考える
②生成AIなどを使い画像を作る
③画像をワードに貼り付け、ハイパーリンク機能を使いリンクを貼る
④PDFにする

◆難しかったこと

意外と簡単?かと思いきや、2つの点を理解するのが難しかったです。

1つ目は、やってみてわかるのですが、場面ごとに選択肢を増やすとビックリするほどスライドを作らなくてはならないということ。

先生の例では極力スライド枚数を作らなくて済むような構成になっていて、場面Ⅱで、右に行っても左に行っても、地図が落ちている場面にいくようになっています。そして、場面Ⅲで地図を拾っても拾わなくても、同じシーンにいきます。

ところが、場面ごとに選択肢を2つずつ用意し続けるとスライドを2倍ずつ作らなければなりません。これは大変。先生の例だとスライドは6枚で済みますが、選択肢を2つずつ設けると15枚になるそう!(大作に挑戦したいならいいですけどね)

配付のテキストより なんとなくわかりますか?

2つ目は、ラストシーンからさかのぼってリンクを貼りながらスライドを作っていくということ。次の場面のリンクを貼るわけですから当然なのですが、悲しいかな、私はやってみるまで分かりませんでした。
設計図を確認しながら作らないといけませんね。

◆アートギャラリーパターンで作ることに

物語モノの制作が難しい場合は、これもありますよってことで、先生は別のパターン「アートギャラリー」も用意してくださっていました。
ストーリーが全く浮かばなかった私はこちらに挑戦。

場面Ⅰ「アートギャラリーにようこそ」
場面Ⅱ「気になる作品をクリックしてください」
    ①ミライの世界 ②カコの世界 ③ファンタジーの世界

先生の例にならって、「未来」「過去」「ファンタジー」の3パターンを作ります。
テーマは「食事の支度」です。今、一番のストレスをテーマに選びました。
早速、生成AI「Dream by WOMBO」で画像を作ります。

プロンプトは「台所で料理をしている風景をファンタジー風に」
かわいいコビトみたいなのが料理をしているものが生成されました

様々なスタイルで絵が生成されて、楽しい!
写真はファンタジーの世界を作った時のもの。「これ、かわいい」と思ったのに、保存せずに次々生成してしまったのが失敗。
やっぱあれがいいな~と思っても、もう出てこないんです。
10回くらい同じプロンプトで、同じアートスタイルでやってみましたけど、ダメでした。

先生に訴えると、「生成AIって一期一会なんですよね」との返事。

そうですか・・・。特に無料のものは難しいんだとか。
受講者の方には工夫されている方がいらっしゃって、犬の絵を作るのに、犬種を指定したプロンプトを入力されていました。
すばらしい!!

左の場合はほぼ同じ犬と言っていいと思いますが、右は全く違う犬が生成されました

◆完成しました!

さて、四苦八苦して作った私の作品が次の通りです。画像は全て「Dream by WOMBO」で作りました。

「見てみたいアートをクリックしてください」
「未来の世界」
生成した画像に文字も入れてみました
「過去の世界」
日本っぽくない気もするけど味わいがあります
「ファンタジーの世界」
毛糸の束みたいなもので構成された世界

がんばりました!
クリックして場面が変わっていくのは、なんとも言えず感動!
プログラミングなしで、ハイパーリンクでできるなんて!

やっぱり体験するって大事ですね。
これはやってみないとわからないです。
「私でも作れる!」「おもしろい!」「また作りたい!」が終了後の感想です。

年を重ねると仕事でもプライベートでも、経験済のことが多くて、感動することが減ってくると思います。でも、今回は本当に久しぶりに感動しました。知らない世界を知った喜びです。

ちなみに、サムネイル(コンテンツの表紙)に使った画像ですが、右側の画像は、かつて私がうまく使えなかったソフトで生成したものです。
プロンプトは「パソコンを使い、生成AIで画像を作る日本人女性」です。
期待以上のものが生成されてびっくり。進化したのか、たまたまプロンプトがはまったのかわかりませんが。早速サムネに採用しました。

第4回は動画を作成。後編でレポートします。


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