「入門 開発経済学」山形辰史 ①

【心に留めておくこと】
◉はじめに
 二十一世紀に入り二十年がたった今でも、世界は理不尽な悲惨さに満ちている。……このような「理不尽な悲惨さ」を幾分かでも改善するために、物質的な改善や社会制度の変更を試みることが、筆者にとっての開発である。…….なぜ今まだこうなのか。大人は今まで何をしてきたのか。どこに改善の芽があるのか。本書を通じ、それらの問いに答えてみたい。

◉政府開発援助に関わる不正
 多くの人々の関心が高いのは、果たしてこの政府開発援助が有効に使われているのか、そして現地の人々の役に立っているのか、ということである。率直に言えば、有効に使われるように、そして役に立つように様々な工夫がなされているものの、時に援助した機材が想定された動きをしなかったり、援助によって建設されたインフラが紛争で破壊されたり、供与された資材が意図通りに用いられなかったりして、効果を発揮しないこともある。もっと悪い場合には。。。。。。

◉政府開発援助の基本ルール
 政府開発援助を有効に用いるため、伝統的に採用されてきたのが「どうしても必要なものに限って援助する」ということである…….この考え方に沿った原則は 「投資支出原則」「外貨原則」「要請主義」………….アンタイド化/プログラム援助/ガバナンス/ファンジビリティ/援助効果…….



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