目に見えない問題に気付くには
3ヵ月に一度、歯医者で定期健診を受けているのだが、今朝はその日だった。何事もないかに見えたのだが、歯周病検査で1点引っかかった。念のためレントゲンを撮ってもらったのだが、特に異常は見られない。どうも以前に処置してもらった詰め物が邪魔して、うまく磨けていないようなので、そこを少し削りましょうということになった。
そその処置は無事に終わったのだが、最終的に院長先生のチェックがあって、「噛み合わせは確認しましたか?」と言われた。まだだったので、チェックしたところ、どうも噛み合わせが悪いために、歯に余計な力がかかり、それによって歯肉にも影響が出ているようだった。
例えばネジで木に穴を空ける時に、ネジの角度が少しずれると木に変な圧力がかかって割れてしまうのと同じ原理だ。
こうした分析と説明を院長先生はわずか1分足らずでされていた。
「プロだなー」と思えた瞬間である。
思えば「プロ」と「アマ」の違いというのは、素人では気づくことの難しい「目に見えない問題」に気づくことができるか否かにあるのだろう。
ではこのような「目に見えない問題」に気づくためには何が必要なのだろうか。
今朝の歯医者さんの事例で考えてみると、恐らく次の3点が考えられる。
1.多くの症例(事例)に触れていること
2.症例に対する対処法のレパートリーを豊富に持っていること
3.通常解では解決できない問題があった場合に、合理的な解を作れること
一番難しいのは3で、今回の私のケースはこれに当てはまる。
通常であれば歯周病はブラッシング不足等によって汚れがたまり、それが歯肉を痛めるというのが、一般的な事例だ。私の場合は、噛み合わせの異常が主な原因であり、例としてはそれ程多くないケースと考えられる。
ベースとなる1、2という基礎的なインプットを持った上で、いかに3という応用技を繰り出すことができるか。
これはビジネスの上でも大いに参考になる力だと思う。
1や2については、一定の努力によってある程度の人は身につけることが可能だろう。
しかし、3についてはちょっとレベルの違う力が求められそうだ。
恐らく、ある問題を考えている際に
少し違った角度からズラして考えてみる。
それを他の事例と結び付けて考えてみる。
その上で自分なりの解を見つけ、合理性を検証してみる。
といったことを日常的に繰り返していくことが必要なのかもしれない。
自分が普段仕事をしていく中でも日常的に発生する様々な問題について、こうした視点で臨んでいけば、「目に見えない問題」に気づける確率は、今より少しでも高められるかもしれない。
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