個人としての人間 -人間失格-
果たして、葉蔵は、本当に人間失格だったのだろうか。失格であるとするならば、その「人間」とは何なのか。
葉蔵を通して、「人間」とは、あるいは「自分」とはを、とことんまで考えさせられた。
私には、タイトルの「人間失格」、また、本文中の「人間、失格」は、ただ「人間」という集合からあぶれただけの意味に感じられた。狂人と判断され、ノーマル、すなわち「人間」で無くなった。いさせてもらえなくなった。そういう意味での人間失格。そうなった原因は酒か、薬か、女か。表面的にはそれらが原因に見