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三ツ目の停車場

少し前に、会社の最終出社日を終えた。

すがすがしい、というか実にあっさり。
むしろこのあっさりを求めていた自分。
会社に何か残しただけの活躍をした訳ではなく、とはいえお世話になった方が招いてくれた飲み会に、自分のために時間を割いて来てくださった方々がそれなりにいたことがありがたかった。
もちろん、そのような会を開いて招いてくれたことも。

力不足で辞めた、というと辞める必要がないように思うけれど、その力を埋めてくれる知識やら知見がその会社に無かった。
埋めてくれる手助けすらも無かった。
なにより、この会社のために!というものが無くなってしまって、会社への信用が無くなったことが大きかった。
だから、これ以上どうにかしようと思うにはそうせざるを得なかった。

1回目は立ち止まって考えてみたときに将来に不安を感じたから。

2回目は頑張りすぎて身が保たないし、だからといってほどほどができる環境ではなく、摩耗を体感したから。

そして3回目。
最初の駅員という経歴からすると迷子だ。
ただ、どの選択も後悔はしていないし、共通項は実に細いところにある。
年収は落ちてしまって、客観的な転職では失敗に思えるようなことも、経験値に替えられたから必ずしも失敗ではなかったといえる。

と言ってしまえば前向きだが、結局のところ全て言い訳に過ぎない。
どんなに売り手市場なご時世でも、企業に長く勤めている人が評価されるのは変わらない。
それで正当と思われる事由があったにせよ、その会社から逃げた事実は変わらない。

人生を生きていく上で苦難を乗り越えるか、あえて回避してみるのかはその人次第だが、どのルートを辿っても乗り越えなければならないものは必ずあるはずで、それを遠くに望んでいつつも、どこかで近いうちに臨まなければならない峠越えのような心境で、不安でもある。

転職の度に毎回抱えるそんな三ツ目の停車場から乗り込んだら、願わくば途中下車せずに終着地まで完乗したい。
てかしてみせる。


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