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居場所

世界で一番好きなバンドが、大阪城ホールを埋めた。私はこの日のことを一生忘れない。

DAY DREAM BEATでハンブレッダーズを知って、好きになった。絶対に私の曲だと思ったし今でも思っている。どこの歌詞を切り取っても、私のことを歌ってくれていると思える。COLORSは、私が人生で初めて買ったCDだった。学校生活のことで毎日苦しかった私は、「下向きでもオッケー オールライト」で始まるこの曲に何度も救われた。COLORSについてきたシリアルで初めてライブに応募した。外れたけど、最後の一般発売で何とか勝ち取った。お腹が痛いと言って部活を抜けて、こっそりトイレで連打勝負をしたこと、今でもハッキリ覚えている。きっと何かが変わるはずワンマンツアー、人生で初めてライブハウスに行った。コロナ禍真っ只中で、立ち位置まで指定されていたけど、初めてライブに行った私にはそれがちょうど良かった。アンコールのDAY DREAM BEATで、目の前に挙がる拳の奥にハンブレが見えて、初めて独りじゃないんだと思えて、涙がこぼれた。BIGCATは、ハンブレとの出会いの場所で、私はこの日、一生ハンブレッダーズに着いていくと決めた。その日以来、ハンブレの立つライブハウスが私の居場所になった。そこにしか私の居場所はないと思っていたのに、イヤホンを挿したら味方になってくれる彼らがいたから、気付けば私は小さな箱の外にも居場所を作ることができた。今が最高だと思えるのは、間違いなくハンブレッダーズのおかげ。

初めて入った大阪城ホールは大きかった。本当に大きくて、広くて、言葉が出なかった。席はスタンドで、入るまではずっとアリーナがよかったと思っていたけど、入った途端にそんなことはどうでもよくなった。通路に飾られた花は、ライブハウスからのものがいくつもあって、ハンブレが愛されていることを改めて実感してものすごく嬉しくなった。私の好きなバンドが、こんなにも愛されていて、幸せだなと思った。開演前のアナウンスからあまりのあたたかさと大きな愛に涙が止まらなかった。本当に、余すところなく丸暗記したミュージックなんだよ、全てが。喜怒哀楽、どの感情のときも、ハンブレの音楽は寄り添ってくれた。ハンブレだけはいつだって、私の味方でいてくれた。ハンブレと出会ってからの3年間のことを思い出してただただ泣いていた。何度も聞いたSEが流れて、いつものところで4人の音がはじけた。いつもライブの記憶は割と鮮明に残るほうだと思うけど、今回の記憶はあまりにも途切れ途切れで、始まってから終わるまでは、すごく長くてすごく短かったように思う。
逃飛行のシンガロングは、泣きすぎてできなかった。ただ、拳だけは挙げ続けた。4人の視界にひとつでも多くの、握りしめたグーが映っていてほしいと思った。大阪城ホールは大きいけど、始まってみれば本当にライブハウスみたいにも感じた。会場が虹色の照明に包まれた思い出のCOLORSは、ここで聴けると思ってなくて本当に嬉しかった。吉野さんに声をかけて始まった銀河高速では泣きじゃくってしまった。続ける、なんていういちばん難しくて苦しいことを選んでくれてありがとう。そんなものはないのかもしれないけど「ずっと」を約束してくれてありがとう。出会ったきっかけのDAY DREAM BEATは、モニターにMVの手書き文字が映って、やっぱり私の曲だと確信した。1番好きで1番聴きたかった見開きページは、本当に嬉しくて、ずっとずっとにこにこで拳を挙げていた。「君のせいだよ」ずっと歌ってください。本編最後のライブハウスで会おうぜ、涙腺が崩壊した。暗くて狭くて怖かったし、音がでかすぎて不安になった、初めてハンブレに会ったBIGCATを思い出した。モニターに次々と映る各地のライブハウス、これはライブハウスとハンブレッダーズの思い出ではなくて、ライブハウスとハンブレッダーズと私たちの思い出なんだと思って、胸が苦しくなった。私の居場所がいくつも映し出された。その度に、こんなMCしてくれたな、こんな曲してくれたな、この場所で見たな、ってたくさんの思い出が脳内を駆け巡った。ヘッドフォンの外にも宇宙はあったよ、ハンブレのおかげで、気付けたよ。大阪城ホールという、大きな会場で「ライブハウスで会おうぜ」と歌ってくれるのは、これからもライブハウスに立ち続けるよって伝えてくれている気がして、嬉しくなった。私は本当に、狭くて暗い箱の中で爆音を鳴らす4人が大好きなんだ。
アンコールの口笛を吹くように、初めてライブに行ったあの日もそうだったけど、いつも「イヤホンを挿して」って歌ってくれていて、私はそういうところに救われたんだな、と改めて思った。「秘密兵器みたいなプレイリスト」って歌詞が大好きです。後ろにもステージを作ってくれるところ、誰のことも置いていかない優しさが溢れてた。
モニターに映像が流れて、4人が武道館に立っていて、私はまた彼らに希望をもらった。重いけど、生きる理由なんだよ。ほんとに、ここまで何度も救ってくれてありがとう。ギリギリにいた私だけど、ハンブレに出会えたから今生きているよ。学校生活で病んだ時、親が急に離婚した時、理由もなく消えたくなった時、そんなどうしようもないときはいつもハンブレに縋った。そんな私をいつもすくい上げてくれた。ハンブレだけだったんだよ。私のことを認めてくれたのは、私に居場所をくれたのは、ハンブレだけだった。ありがとう、何回言っても足りないけど、本当にありがとう。出会えてよかったって、もう数え切れないほどに思ってきたんだけど、未だに毎日思うんだよ。

大切な一日は終わってしまったけど、記憶は消えない。この記憶をずっと大切にして生きていくよ。「いちばん素晴らしい夜はきっとまだ来てないんだ」そう歌ってくれることが、何よりの生きる理由になってるよ。ハンブレが続けてくれる限りずっと、着いていくから。あのさ、本当に、出会ってくれてありがとう。こんなにもたくさんバンドがあるけど、どん底にいたあの時に出会ったのがハンブレッダーズで本当によかった。ハンブレッダーズに出会えて、本当に幸せです。大切な日に関わらせてくれてありがとう。

次は、ライブハウスで会おうぜ!


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