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もったいない、から始まる編集。

もったいない。

その思いが行動の動機になることが多い。
先日も僕は「もったいない」という気持ちから、とある提案をしたくてダスキンさんに伺った。

ていうか、ダスキンってご存知だろうか?

年配の方は「黄色いモップのあのダスキン?」と思い出される人が多いんじゃないだろうか。まさにモップやマットのレンタルなど、掃除全般にまつわるサービスを提供している会社だ。

ちなみにミスタードーナツを展開しているのもダスキン。

そんなダスキンさんと関わりを持つようになったのは、ダスキンの社内外問わず、近しい人たちと一緒に、新たな創造へとつながる未来の種を見出すことを目的とした「ダスキンラボ」という場所に、2年前に呼んでいただいたことがきっかけだった。

当時の僕は、ダスキンさんに対する知識がモップとミスタードーナツくらいしかなく、それではあまりに失礼だと、ダスキンさんのホームページを検索してみたりした。その時はまだよく理解できていなかったのだけれど、あれから2年が経って見えてきたことを前に、僕はあらためてこう思った。


「もったいない!」

そもそもダスキンとは、英語で埃(ほこり)を表す「ダスト」と日本語の「雑巾」を合わせた造語。家庭用の化学ぞうきんのレンタルがダスキンの原点だ。そしてこのレンタルという部分が大きなポイントなことにいまさらながら気づいた。

(ちなみにもう黄色じゃないんだね)

2年前にダスキンさんと接点を持った当初は、このダスキンのレンタルサービスについてあまり肯定的な思いは抱けなくて、そもそも携帯電話にインターネット、さらにはネトフリ、アマプラ、U-NEXTと、毎月幾らサブスクに注ぎ込んでるかわかんないのに、どうして掃除用品にまでサブスクをONしなきゃいけないのか? と思っていた。しかし、コロナ禍ゆえか、僕のなかで考えが変化していった。

例えばこのサイトを見て欲しい。

ここに書かれている内容が本当ならば、モップやマットの再生率は97.6%! ダスキンにとっては再利用するほど利益率も上がるわけだから、できる限り再生していきたいわけで、八方よしな素晴らしい循環生産システムだ。つまりサーキュラーエコノミーの観点でダスキンを見た時、月額幾らといった価格の話を超えて、ダスキンの仕組みがとても魅力的にうつった。

「自分で持たずに社会で持つ」という、最近僕が考えているテーマにバッチリ見合っていると思ったのだ。

その話については、以前「マイボトル」から「シェアボトル」にという内容の記事を書いているので、よければぜひ読んでもらいたい。

とにかく「所有」より「利用」する仕組みを社会全体で考えることが必要なんじゃないか? と考えている僕は、初めてダスキンのモップを借りてみようと思った。

またその一方で、ダスキンさんは長年の努力で積み上げてきたこの循環生産システムをうまく伝えられてないんじゃないか?

もったいない。

SDGs、カーボンニュートラル、エシカル経済、サーキュラーエコノミー。これらの言葉は単なる流行りではなく、今を生きる僕たちが未来に向けて真剣に取り組まなきゃいけない大きな課題だ。そういった観点からダスキンのシステムを見た時に、もっと活用できることがあるんじゃないだろうか? と思った。例えば、コロナ禍で進む飲食店のテイクアウトやウーバーイーツなどの出前サービス。その器が使い捨てのプラ容器ばかりなことが僕はとても気になっている。

この #マイコンテナ が、 #シェアコンテナ になればどうだろう? ダスキンさんが飲食店にマットや衛生商材を配達回収するそのスキームで様々な店舗で共有出来るテイクアウト用の容器を配達回収してくれれば、無駄な使い捨てプラ容器を購入しなくて済むんじゃないか? などと考えた。

すでにダスキンが展開しているミスタードーナツでは、食品ロスに対する試みや、店内でのガラスや陶器でのドリンク提供、ドーナツを揚げた油の100%再利用など、さまざまな取り組みをされていたりするけれど、テイクアウトについてより、ダスキン本体の訪問販売グループとの連携を計ってくれたら相当よい取り組みになるのでは? と考えたりする。

そんなことを妄想しているうちに、実際にこのお話しをダスキンさんに話してみたいと思ったのだ。大きな企業さんだし、そんな簡単にことが運ぶわけはないけれど、何かしらこの声が届けばいいなあと思っている。


この「もったいない」から始まる提案について言うと、僕はさらにもう一社、とある企業の方にメッセージを送った。その企業とは富士フイルムさんだ。その内容はズバリ、

「写ルンです」がもったいない。

僕がはじめて循環生産システムの素晴らしさを目の当たりにして感動したのは、何を隠そう写ルンですの工場を取材させてもらったときだった。もう13年も前のことだ。

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