夢をくれた銀幕スター(ACTOR)

2月13日が近づくと思い出す ACTORがいる。
女優だからアクトレスと表記するのだろうが、
あのアンジェリーナ・ジョリーがACTORと紹介される時代だから
此方もACTORを使わせていただく。

毎年バレンタインデーの今頃になると、米国女優のキム・ノヴァック(KN)を思い出す
何時頃からファンになったのだろうと考えてみると、

子供の頃、自宅本屋の棚に並んだ「スクリーン」と「ロードショー」という映画雑誌
その中に妖艶な彼女の姿もあった記憶あり。
何の映画だろう、映画Vertigo(めまい)の中のヒロイン役の彼女がサンフランシスコ湾に飛び込みんだ後のシーンか?
この間、竹馬の友中村雅俊君のNHKTV 番組「ファミリー・ヒストリー」で、故郷宮城の郷土史家として登場、女川町の出島を話していた従妹の阿部さん(元石巻市の小学校校長や教育長)が大の映画好きで毎月スクリーンの新しい雑誌が来ると喜んでみていた。
彼から当時のフランスの人気女優ブリッジット・バルドーと共にKNの説明を小学生だった私に一生懸命話してくれるのだが、何も感じていなかった。
その後
50代になり、縁があって米国中西部にある日系自動車部品工場に赴任し、一緒に仕事したミズーリ州出身の女性工場長。ある日彼女の面影と重なることに気が付き、改めてKNを思い出す。イリノイ州にあるというKNのふるさと迄車を飛ばし、シカゴ近くのその街を半日さ迷い歩いたが、最後には住民の方々に聞き歩いたが一様に知らないという、SNSで知った情報が違っていたようだ。
また、KNの古いドキュメンタリー映画を見ていたら、東ヨーロッパ出身の母親が、
「あの恥ずかしがり屋の、あの子が、銀幕で大活躍するとはとても信じられない」と語っていたシーンがあったが、そういうものなんだろう。
(中村)雅俊君が、TV 芸能界で活躍すること等、石巻高校・大学時代を通じてとても考えられなかったのと同じだろう。
人生の分かれ道でそれぞれ選択して、今がある。

KNさんは1933年生まれだから今年91歳になられる。
早くに銀幕から離れ、米国西海岸の自宅で乗馬や絵をかきながら
静かに暮らしてきたことが長寿につながっているのか。
確かモーム原作の映画「人間の絆」(HB)出演を最後に映画界を去ったと記憶している。
ミズーリ工場勤務時代、暇を見つけて集めた彼女出演映画のDVDが山のようになった、
記憶に残っているのは20代米国中西部カンザスを舞台にした「ピクニック」
大ヒットしたヒッチコック映画の「VERTIGO(邦訳はめまい)」
(ヒロインが変身していくさまが強烈な印象)や
「Bell,Book & Candle(邦訳は媚薬)」
(その後のTVドラマ、「奥様は魔女」の元祖といわれる映画)は忘れられない。

舞台はそれぞれサンフランシスコやニューヨーク。
当時の美しい街並みがこれでもかと登場、十分楽しんだ。
最後の映画作品HBまでよく集めては、何度も見ていたな。
いずれワイフが不要物として処分されるだろうに。

1933年生まれの女優といえば、邦画界では若尾文子さんに思いがいく。
同じように若いころ多くの「大映映画」に出演され
谷崎潤一郎の作品、「刺青」「瘋癲老人日記」等の映画化で妖艶な役柄で大活躍。
井上ひさしの「青葉繁れる」のセーラ服の似合うヒロインのモデルともいわれる。
その後も
TV ドラマに出演され杉浦直樹さんと共演したドラマでの、上品な奥様役だった記憶がある。今はどうされているだろうか。
70代の建築家に、「あなたはバロックだ」と言わせた魅力はまだ健在だろうか。
芝居の方は、日生劇場で見た三島由紀夫の作品「鹿鳴館」が最後だった。
隣の方が、いいところで「若尾」と声をかけた。
やってみたいなと思いつつ、声をかけそびれた日が懐かしい

それにしても
女優さんに限らず現代日本の89-91歳は、とても老年とは言えない。
昨年3月
イタリアの大学の統計学者が、今後30年、2060年迄には
健康・医療環境レベルの高い先進国の中では
世界最長寿命122歳(フランス女性といわれる)が延伸される可能性が
かなりの確率で予測されているという。
その際は、健康で長寿大国の日本、上記の皆さん方はじめ多くの女性の長寿がその壁を破る確率が高くなっているのではないか。
何時までも、昔楽しませてもらった作品が記憶に残り蘇っては、青春アオハルを思い出す。

映画・芝居フアンにはありがたい。
映画の中で見た役者さんの姿と、今現在の皆さんのお元気な姿が悩ましく交差する、「メビウスの輪」のような世界を眺める度に夢のような「めまい」を楽しんでいる。
今後は新たな役者さんたちが多く登場し、ACTORとして、
いずれ新たな夢の世界を作り上げてくれる日を楽しみにしよう。


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