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01_自分もそうだがほとんどの人が分からない宇宙際タイヒミュラー理論(IUT)を、個人的に推しているということもあり、無理ゲーなのは百も承知で解説してみる

IUTって一体何?


準備はいいですか?

摩訶不思議で、かつ魅力的な、しかし多くの人が理解不能と匙を投げてしまう宇宙際タイヒミュラー理論(IUT)の世界に、皆さんをご招待いたします。IUTは、才能あふれる日本の数学者でありながら、滅多に公の場に姿を現さないことで有名な、望月新一さんが考案した理論です。

「何年もかけてようやく理解できたって数学者もいたんでしょ?それに、めちゃくちゃ複雑なんじゃ?」そう思った方、鋭い!その通りです。でも、難題であればあるほど、未知なる冒険の誘惑には抗えないものです。そこで、皆さんと一緒に、この永遠に続くかもしれない壮大な旅に出発し、IUTという秘境を、少しでも分かりやすく紐解いていきましょう。


まず、IUTって何?

IUTは、一見すると全く関係なさそうな2つの数学の王国、すなわち「数論」と「幾何学」の橋渡しをする、革新的な試みです。具体的には、望月さんは数論における長年の未解決問題であるABC予想に焦点を当てています(ここではこの予想の詳細には触れませんが、気になる方は各自で調べることを強くお勧めします)。要するに、2つの整数の素因数の大きさが、それらの和に関係してくるという、なんとも不思議な主張なのです。シンプルでしょ?証明するとなると…話は別です。

「普通の」数学では壁にぶつかる

ここで問題が発生します。従来の幾何学や代数学を基盤とした、標準的な数学ツールでは、この難題を攻略できないことが判明したのです。何か根本的に足りないピースがあると考えた望月さんは、なんと、全く新しい数学の体系を作り上げてしまいました!

未知の世界へ:遠アーベル幾何学との遭遇

IUTの土台となっているのが、「遠アーベル幾何学」という耳慣れない分野です。従来のアプローチでは、方程式などの数学的対象を、その幾何学的形状や性質から探っていましたが、遠アーベル幾何学では、「基本群」という非常に抽象的な対象から再構築を試みるという斬新な手法を取ります。基本群とは、数学的対象の根源的な構造を捉えるもの、言わば設計図のようなものと捉えてください。

さらに深淵へ:ホッジ劇場と不可解なテータ関数

さあ、ここからさらに深みへと進んでいきますよ!望月さんは「ホッジ劇場」と呼ばれる摩訶不思議な世界を構築します。これは一種の数学的レゴブロックのようなもので、伝統的な数論における特定の側面を模倣するように、緻密に設計されたものです。ただし、ここでは遠アーベル幾何学という特殊な言語が用いられています。そして、これらのホッジ劇場同士を繋ぎとめる役割を担うのが、「テータリンク」という謎めいた存在です。ところが、この魔法のテータリンクを作るためには、望月さんは「テータ関数」という複雑な挙動で知られる数学的対象を巧みに操らなければならないのです。問題は、このテータ関数は「対数」という、IUTの他の部分で使いたい従来の数学とは相性が非常に悪いことで知られる厄介者と、常にセットになっていることです!

迷宮を進む:log-テータ格子という羅針盤

そんな不適合性に直面した数学の天才は、一体どうするのでしょうか?そう、もっと大きく、もっと奇妙な構造物を作り上げるのです!望月さんは「log-テータ格子」という羅針盤を我々に与えてくれます。これは、互いに繋がったホッジ劇場が織りなす、二次元の壮大なネットワークです。リンクの一部は水平方向に伸び、先ほどご紹介したテータリンクによって形成されています。また別のリンクは垂直方向に伸び、あの悩ましい対数の「反復」を表現しています。全体を可能な限り対称性を保ちながら、最終的に数学がうまくいくよう、リンクの片側の対象をもう片側の対象と「意図的に混同させる」という、精巧で多輻的なフレームワークを構築した望月さんの発想には、ただただ驚くばかりです。

(続く…かどうかは未定!)


今回はこれにて終了です!

次回、この複雑な「log-テータ格子」という山を無事登り切ることができるのでしょうか?宇宙際幾何学の深遠なる秘密を解き明かし、「意図的に混同」するとはどういうことなのか、その真の意味を理解することができるのでしょうか?それとも我々の勇敢な試みは、理解不能の壁に阻まれ、あえなく挫折してしまうのでしょうか?乞うご期待!

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