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リザエレ! エレミネイション+ウィンクルム EPISODE 03 『ファースト・バイソン』 Vol.2

はじめに

 この度は数ある記事、作品の中から本作品(「リザエレ! エレミネイション+ウィンクルム」)をお手に取っていただき、心より感謝を申し上げます。

 度々のお願いで恐縮ですが、お読みいただく際の注意事項を以下に添えさせていただきます。

 本作品は現在『note』のみで連載しております。その他のブログサイト、小説投稿サイト、イラスト投稿サイトでは連載しておりません。この作品は一部無料にて公開しているものですが、掲載されている画像、文章などは著作権フリーではありません。無断転載、コピー、加工、スクリーンショット、画面収録、AI学習はお控え頂くよう、ご理解の程よろしくお願い致します。

 この作品の物語はフィクションであり、登場する人物、場所、団体は実在のものとは一切関係ありません。また、特定の思想、信条、法律・法令に反する行為を容認・推奨・肯定するものではありません。本作には、演出上一部過激な表現が含まれております。お読みの際は、十分ご注意ください。




Chapter 19 「負勝事」


 #バイソン・イヴィディクト

 戦国武将を思わせる装甲、筋骨隆々の分厚いの体、頭部には短くも太い二本角、左腕に装着されている小型機器は虹色の光を走らせている。そして特徴的なバイソンの顔になぞらえた両目には鋭く光る黄色い眼。一目で力強さと凶暴さがうかがえる黒鎧の牛人は周囲の人々を襲うことなく、ただその大きな体を人々に見せつけていた。

 芽瑠はリュックを床に置き、コートとブレザーを脱いで愛叶に預ける。
「愛叶、ここにいて」
「一人で平気なの?」
「ウチに任せて!」
 芽瑠は笑顔でそう言い、右目ウインクをした。バイソン・イヴィディクトの近くまで移動し、脚を広げ、腰に手を当てて仁王立ちをする。
 ローファーの靴音に気がつき、バイソン・イヴィディクトは振り向いた。
「俺の前に堂々と立つことができるってことは、さてはお前、リザエレだなぁ?」見た目に似つかわしくない高い巻き舌声で黒鎧の牛人は言った。
「……だったら、どうする?」
 図星を突かれるも、芽瑠は落ち着いた声で言い返し、左手に付けているエレメティアをタッチする。
 目の前の空間上に黄色い波打つ光に包まれた白い古代文字が現れる。
 両手の拳を前方に突き出しクロスさせ、その状態から両手を返して指の間を詰めた手の平の形にする。そして、両腕をゆっくりと左右に展開させ、風を切りながら手を拳の形に戻し、右腕を腰に、左腕を胸の前に持っていき叫ぶ。
「フェアリス!」
 芽瑠の声に反応したエレメティアが黄色の光を放ち、白い光の古代文字をフラッシュアウトさせて彼女の全身を包み込む。
 僅か一秒足らずで光が収束し、エレミネイションスーツ/フェアリスに変着。
 黄色と黒、白の配色がうまく取れたジャケットとストライプウェーブ柄のプリーツスカートは、動きやすいよう他のメンバーの戦闘衣よりも丈短く調整されている。
 身長175センチの体に五角形の機械盾を背負った華山芽瑠は、帽子の鍔を少し上げて、[盾声剣じゅんせいけんブレイシールド|シールドモード]を左手に持ち構える。
 悠々たる姿勢で一人立ち向かう芽瑠の姿に、「やっとか」と言わんばかりに振る舞うバイソン・イヴィディクト。
「今日は黄色だけか。とうとうリザエレも仲間割れか」
「仲間割れ? ウチらはまだ仲いいよ。そっちの方こそ諦めて解散したほうがいいんじゃないの?」
「お前たちが目を覚ますまで、は活動を続ける」
「目を覚ますのはそっちの方だよ。イヴィディクトはただ人に恐怖と不安を与えるだけ。そんなのはこの世界にはいらない!」

「そうだ! そうだ!」「早くあんな奴やっつけて!」「怪物はあの地区に帰れ!」

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