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組織間リリースは筋膜リリースではない話

GWはみなさんいかがお過ごしでしたか?

私は某フェスでコロナ禍にできなかった大はしゃぎをしまして
首の痛みがまだとれません

非常に反省して、おりません
だって楽しいんだもの

ライブ中のMCで金髪のお兄ちゃんが言ってたんですが

フェスで8時間音楽を浴びて楽しく過ごすことで、およそ6時間の睡眠と同じ効果を得られる
そんな研究結果が最近出ているそうな
ま、音楽が嫌いな人を集めれば徹夜と同じストレスレベルに結果が変わるような
そんなものではないかとも思えるが、それでもそんな研究が行われていることが、そもそも嬉しいお気持ち
ライブは好きな人が集まって楽しむ場所である

私の音楽観なぞどうでもいいのだ、そんなことより


臨床に立っていると定期的に来る
波というものがあってですな

ここ最近、首の寝違えが多い

かく言う私も首が痛いわけで
同時多発的に寝違えが起きたりすると

実は寝違えは季節性のもので、昼夜の寒暖差が体に与える影響が考えているより大きいのか・・・なんて考察してみたりして少し楽しい

前置きが長くなった

組織間リリースというメソッドを聞いたことがおありか?

一昔前に(今もか?)筋膜リリースというあやしげなキャッチフレーズが流行ってい(る)た

筋膜ローラーという怪しげな名前の製品が今も売れている

怪しげなと言いつつ
私は結構使う(なんでもそうだが使い方によってだ)


また話がそれた
筋膜リリースというメソッドは元をたどると
イタリアで生まれたファッシャルマニピュレーションというメソッド

その一部を切り取って受けのいい言葉に翻訳したものが筋膜リリースというみたいだ

ファッシャルマニピュレーションの講義も受けたことがあるが
今回紹介する組織間リリースというメソッドとは、違うものであることを初めに言い切っておく

そもそもリリースと言う言葉は対象が2つ以上は必要なんじゃなかろうか
筋膜リリースというのであれば

筋膜と何をリリースするのかを明確にしておくべきである
例えば筋膜と筋膜の間をリリースみたいな、、、
ちなみに筋膜には筋内膜と筋外膜が存在したり
そこも明確に表現しなければ誤解が生まれるかもしれない

そういった誤解が生まれる表現は、使われるべきではない
誤った知識は思い込みや暗示を引き起こす
殆どの場合で、それは良い作用を及ぼさない

この前
骨膜整体という広告を見かけたが、骨膜を人の手でどうこうできるのであれば、もはや凶器である
痛すぎてリラックスどころではないだろう

今日も愚痴が止まりませんな笑

組織間リリース


さて組織間リリース(以下ISR)の話をしよう
ISRは蒲田先生という理学療法士が作り上げているメソッドである
私がよく学ぶものは決して完成されているものではなく、現在進行系で臨床の中で進化しているものが多い
故に作り上げているという表現をしている

キーワードとして「精密触診」という言葉が出てくる
ミクロ解剖学とでもいえば、イメージが付きやすいだろう

先程の筋膜リリースとは違い
筋膜と神経との間や皮下組織と皮神経との間など
リリース(解放)するターゲットが実に明確である

基礎講座、そして今回受けた頭頚部の講座を通じて
技術としてのISRを身につけるための事前準備が整った気がする

このような技術系の講習は基本的に受講したら現場で使えるような
インスタントな技術ではないので、その後どれだけ練習を繰り返して
現場でトライ・アンド・エラーを積み重ねられるかが大事だと思うてる

実際、昔受けた講習の大半は忘れているか
頭は覚えているが、手が忘れている

そういったものは現場では頭でっかちになるだけで、役に立たないもんである

なので今回ISRの講座で学んだことを、これから現場に落とし込むために
自分の中での整理をするために、この記事を書いている次第

何をリリースするのか?

先ほどもいった通り
組織間リリースではリリースする対象が明確である

対象はいくつかに分かれているが、学んだことを順に頭出ししていこう

表皮
真皮
皮下組織
筋膜
神経
筋実質
etc…

これらの組織がISRではリリース対象となる

もちろん細かくすればより多くの対象に分かれることも考えられるが
さすが理論と臨床の違いをわかっていると感じたのが
これ以上細かく分けたところで人の手で感じられるものには、限界があるというところだ

正直臨床では神経への触診で触れているかどうかも、なかなか怪しいものである
リリースされているかも、目には見えていないので、実際に起きているものが理論と一致しているかわからんのだ

しかし、神経と筋へのリリースを行った際に、症状が改善されたり
触診を勧めていくことで解剖上の対象神経の走行に酷似することが多いのは強い味方となってくれる気がする

リリースすることで何が起きるのか?

ISRではリリースが完全に完了した場合の定義が存在する

滑走限界の消失
組織の完全な弛緩
疼痛の消失
etc…

表現としては分かりづらい部分も多いが
要するにISRにおける癒着が消失することで
組織間の動きの制限がなくなるということだろう(むしろこっちが分かりづらいか)

癒着による痛みであれば即時的にそれも解消するだろう

どう使う?

2回の講義と現在の臨床を合わせ
今後の使い方を考察してみる

まずISRを使用するうえで重要なことが2つ

1つ目は技術
これは当然といえば当然

自分が何を触っているのか
組織の深さによってリリースする対象が変化するISRにおいては触診技術が物を言うのである

これを上達することは難しいことはない
座学としての解剖学と触診を照らし合わせることを、ひたすら繰り返すことで上達が見込める

ほんでこっちがもっと重要
2つ目が見立て
これは自分が介入する組織が、ほんとに症状に直接的に関与しているのかどうかを見極める力

リリースする力がいくら養われたところで
必要のないリリースをしても症状は改善しないわけで
評価から、いかにクリティカルな介入対象を選定するかがより重要なのは
言うまでもない

今のところの見解は
トライアンドエラーを繰り返す
臨床で症状と介入対象と改善度の統計を取っていくことが必要なんじゃないかって

実際にスプシにまとめるなんてことはしなくてもいいが
感覚値として「このときは、ここのリリースが効果あったな」(またはその逆)っていう経験が多ければ多いほど
洗練されていくんだろうと思う

結局のところ
この技術も自分のものとするためには
「臨床で使い倒して育てていくしかない」が結論だ

そして
他の技術やいろんな視点と合わせたときに
もっと化けるかもしれない

そんな可能性を感じる講義でした

最近はあまりインプットが捗っておらず
この自称5月病をどう乗り切ろうかと考えている次第です

また来週

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