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2022-08-30 創作ログ #2

初句, 連想短歌 by RIUM

***落ちていく
落ちていく眠りの淵は陶器肌 君といたくて爪たてるぼく

***いくつもの
いくつもの見知らぬ貌をする夏のまあるい果実滴るは喉

***もうすぐで
もうすぐで真昼の月の海に着く 重ねた指に波粒、きらり

***空っぽの
空っぽの器みたいな太陽光 あれを目指してぼくらゆくんだ

***振り向いて
振り向いて「だあれ」とくるり、夕間暮れ
だれもいないよ
だれもいないよ

***まだ同じ
まだ同じLoveとLikeを行き来するふたりの腕がそっと触れた日

***「リベンジ」
すり抜けたあの太陽を背景に笑顔になろうとまた進む夏

***「言い訳」
「好きだよ」と笑んで嘯く薬指 浮かぶ疑問符 酒でかき消す

***一回も
一回も氷あずきを食べぬ夏 打ち上げ花火に隠れキスした

***「再」
ひときわの光またたく静謐の水を含んで朝焼けを撃つ

***何もかも
何もかも知ってるような向日葵の溌溂の影きみが佇む

***「花火」
宵光花(よいみつはな)見上げる瞳の奥底の熾火にふれて氷とけゆく

***「故郷」
いとけなき足首をとる水しぶき その冷たさのぬくもりを知り

***「コンビニ」
倦み果てて訪なう肩をなでる微風 ホットスナックの愛こそ適量

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