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2022-06-14 #創作ログ01

「プロキオン、薬のようだ」俯いた君のスマホを叩きつけたい
傷痕のかたちが違うと君笑う滲み出る血を隠したままで
夏の宵届く祈りの名の拒絶氷の溶けた珈琲ぽとり
雨あがり滴も落ちぬ傘の先いざやいざやと金銀花
哀しみに寄り添うことができるから貴方じゃなくて猫が好きです
そで下の思わぬ白さに手を離す次来るバスの終点は海
かぎろいの四葩の花のそのあとの滴のような君の優しさ
変わりゆく時に流され縋りつく母の靭さを父は知らない
サヨウナラ投げたボタンが弧を描く空の涯では人が死ぬ
雨やどりエチュード響く地下街の薄暗がりのタンポポが、君
軒先の物言わぬ影に黒い列 現し身飽きて空に融けたか
澄んだ瞳に底なしの黒を見つけた日 靭く咲こうとさだめた日
肺の奥梔子の花の香が凝る明日わたしはいなくなります
波のおと優しいリードで木を描くおかえりなさい私の狂気
夕映えに母の声して来てみれば小人のような十薬の花
砕け散れ強く在ろうとしてた僕ほんとのつよさはすぐ傍にある
通学路はたりはたりと駆けぬけて淡く溶けゆく笑顔ばかりが
11の乱数の中にいますからひとりじゃないよ、大丈夫
気を病んで手折りし筆をまたとれば泣けるほどにあふるる言の葉
サラダつき スープ・卵にヨーグルト 足りないのならもっと愛して
桜散るいちごみたいな月浮かぶ あともう少し あと、もうすこし
姿なきすがたに迷い探れども木陰に葉裏にただかなかなと

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