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親友は美少女戦士

セーラー服型の戦闘服を着た戦士たち。
この1年半、辛い時いつも寄り添ってくれたのは、美少女戦士たちだった。

私がセーラームーンにハマったのは、20歳の時。
珍しい方だと思う。20代前半で今頃ハマる人って多分、そんなに多くない。セーラームーンは90年代の日本のアニメを代表する作品のひとつだけど、放送当時私は生まれてもいないので、同世代にセーラームーン好きはあまりいない。
実は私もハマる前まではうさぎちゃんの名前も知らなくて、戦士が10人もいることも知らなくて。

そんな私がセーラームーンのアニメを観てみようと思ったきっかけは、2022年のユニバ×セーラームーンのコラボだった。高校時代の友人とユニバに行って、セーラームーングッズの可愛さにそれはもう心を打たれた。私は昔からとにかく可愛くてキラキラなものが大好きで、リボンやハート、月の形のモチーフをふんだんに使ったキラッキラのグッズがとにかく眩しかった。キャラクターの名前ひとつも言えないのに、とりあえず買った。今度レンタルして観てみよう。そう思ってユニバを後にした。

それがきっかけでアニメを見てから、みんなのことを大好きになるのに時間はかからなかった。
おっちょこちょいで愛されキャラのうさぎちゃん。
しっかり者で努力家の亜美ちゃん。
気が強いけど実はうさぎちゃん想いなレイちゃん。
背が高くて惚れっぽいまこちゃん。
陽気でちょっぴり日本語が苦手な美奈子ちゃん。
5人の関わり合いをみてると、何だか私も昔から5人とずっと友達で、ずっと一緒にいるような気がしてくる。
仲間想いなみんなが大好きで、ずっと仲良くはしゃいでてほしいし、ずっと私の心の中にいてほしい。

去年の5月、もうどうしようもないくらい辛い出来事があって、一睡もできないまま朝方の電車に揺られながら、ここから6時間の実家まで、新幹線の中で泣きながら帰ったことがある。生まれ育った街に着いても6時間の距離の現実が忘れられなくて、しばらくは涙が止まらなかった。それでも、家族にずっと何もせず泣いている姿を見せ続けるのが申し訳なくて、セーラームーンが観たいって私が言うと、父はすぐに借りに連れて行ってくれた。最初は大好きなセーラームーンにも集中できなくて、ただテレビの画面をぼーっと見つめていた。見つめているうちにまた涙が出てきて、泣き疲れてまたぼーっとして、その繰り返しだった。それでも大好きな10人の姿を見ていると、ほんの少しだけ絶望が薄れる気がした。そんなふうに、辛い時はいつもセーラームーンを借りてきて、泣きながら観ていた。もう何度、セーラームーンたちの姿に助けられたのか分からない。アニメの中で、画面の中で、向こう側の世界で笑ううさぎちゃんたちがいつも眩しかった。

この1年半、何度も辛いことがあって、もう生きていけないって何度思ったか分からない。その度にみんなに元気をもらったよ。
ありがとう、もう大丈夫。
やっと毎日前向きに生きていけるようになったよ。こんなふうになれたのは、みんなのおかげだよ。ずっと大好きだったし、これからもずっと大好き。

いつの間にか、友達が、頼れる存在が10人増えていた。私にとってはセーラームーンはそんな作品。

いつもいつも助けてくれてありがとう。
大好きだよ、ヒーロー。

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